和風展には間に合わなかったので(締め切り前日にファイル破損で最初からやり直してたw)。。
今回初めての新築をすすめるにあたって「3Dマイホームデザイナー」を活用しました。
この家を建てるという話は何年も前からちょくちょく出てた話なので、ソフト自体は数年前から所持してました。
なので去年いよいよ土地が決まって本格的に取り組み始めた時は「LS2」という古いバージョン。今年に入ってから機能的にもいろいろ思うところがあって「マイホームデザイナー12」という最新版にアップデートしました。
レンダリングの精度や表現を考えるとPro版の方が圧倒的に良いのだけど、そのお値段の垣根は1件だけつくるには超えられなかった(^^;)
当然敷地を引いて、間取りから作ったんだけど、防犯面も考えて今回間取りは掲載しません。
壁紙や建具なども実際のものを画像処理して取り込んだので、だいぶ雰囲気は近いと思う。
ただ、照明は同じ形のものがなくて、全部モデリングして作るのも面倒だからちょっと雰囲気が近いもので代用してます。家具類もこれからなとこがあるので一部を除いてイメージです。
まずはさくっと外観
え〜〜っと、始める前のイメージは京町家風だったはずが、間取りを作ってる段階で形がちょっと違ってきてしまったw。
どちらかというと古民家風になりました。
こういうのって、やってる間にどんどん新しいアイデアが生まれてくるもんで、過去南伊豆で見た「なまこ壁の蔵」だとか「どこぞの温泉旅館で見た外観」とかも混ざり、見た目とその後のメンテナンスなども踏まえ、結局黒の腰板貼りに格子の飾り縁という形に。2Fが出窓とかちょっと和風っぽくない理由は後ほどわかります。
屋根も最初は瓦のつもりだったけど、3.11の震災のとき、義父母の家も含めて屋根の本瓦がいたるところで崩れ落ちたのがかなり焼き付いてたようで、激しい拒絶反応がみられたので軽いガルバリウム鋼板のシンプルなものになりました。せめて「金属瓦」という瓦形状にしとけばよかったかなとちょっと後悔。
まあぶっちゃけ外観より内装の方に力をいれてるので(^^;)興味がね。。。
多分一般的には設計士さんが考えて提案するんだろうな、という細部まで自分で考えてこうるさく指定してますw。
玄関。丸窓障子もポイントです。
物置を外に作るのではなく、土間収納を玄関につなげて家屋内に造り、中からも外からも物が取り出せるようにしました。
今回ものすごくこだわったものとして「建具」(扉、窓、欄間など)があげられます。
一般的なメーカー品がイメージに合わないので、古民家解体で引き取ったアンティークものを整備販売してる店に自分で買い付けにいってます。
だいたい大正時代〜昭和初期のもので実際長年使われていた歴史が刻まれているもの。
単に「古い」だけじゃない。職人さんの手作りで、日本の技術の素晴らしさが凝縮されており、さらに今ではとても手が出せない良い素材を使ってるんですよ!脇の赤みを帯びた立派な戸も元は蔵戸。(蔵の鉄扉をあけた内側にある引き戸)
下駄箱は懐かしいパタパタと呼ばれる形状のものを、施行建築会社に発注。
使い勝手を考え、下部はブーツも入るように縦長に、下にシューケア小物入れの引き出しもつけてくれと変形オーダーメイド品です。(今気付いたけど扉と下駄箱の高さは実際はもっと近いはず。。)
廊下が暗くならないよう高めの「けんどん障子」の窓と、天窓でカバーしてます。
洗面所の収納棚もレトロな雰囲気で作ってもらいました。
写真左が棚設置中。ほんと似たような感じにできるもんだw。
風呂はいろんなメーカー展示場を覗きにいって、実際に触って目で確かめてYAMAHAのワイドタイプの浴槽を選択。業者通す前に決めちゃった(ーー;)
トイレも同じく展示場行って、TOTOの「脚部」がないフロートタイプに一目惚れ。旦那の「小便器が欲しい」希望があったので、敢えて2カ所作って掃除面倒にするのも嫌だから一カ所にまとめました。2つ便器のトイレ(笑)
バランス的に手洗いはカウンターと一体型ではなく別に設置することになり、収納は洋式を支える裏側が大容量のため、あえて収納カウンターにする必要もないすっきりでいこうと。
せっかくだから信楽焼の手洗い鉢使って雰囲気を出したい!と、頑丈な無垢材一枚板にのっけてもらいここも特注品に。(蛇口と合わせてのっける位置決め中の様子)
採光、風の通り、導線は考え抜き、できるだけ廊下は短く、部屋の間仕切りも少なくをめざしたので、1Fの居住空間はリビング、ダイニング、キッチン、書庫をぶちぬきで1室にまとめました。
リビング上部は屋根裏まで見える吹き抜けにして、太い大黒柱で支えています。
さらに「梁をどーんと見せたい」という要望を出しました。
階段脇がぎっちり本棚の書庫スペースになるようここもオーダー。
基本的に内装は、漆喰の壁に映えるようダークブラウンの木部でまとめてます。
実際組んでる時はまっさらの白木なのですが、後から着色で古色カラーになる予定。
リビング部分。奥の板戸と広縁境の硝子戸も自分で見て選別してきたアンティーク建具です(トイレと洗面の戸もだけど)欄間も同じく選んできたものだけど、ちょっと形状が違って花菱模様の細かい細工物になります。
奥の板戸を全開にすると和室とも一体化します(笑)
なんせ普通の住宅展示場を見学する代わりに「古民家園」をじっくり下見にいったので、出来るなら「田の字型」の全ての部屋をくっつける方式を取りたかった。ほんと昔の家って機能的にできてる。
いかんせん昔は水回りが別棟にあったから可能だったんですよね。風呂やトイレ直結だと1DKのアパート状態になってしまう(^^;)
この和室もほぼ自己設計。
本当は庭に茶室を作りたかったけどスペースないので、和室を茶室っぽく。
全体はおちついて黄みがかったじゅらく壁。洞床に赤茶の壁、その脇の天井は落としてあじろ天井に。全体はイナゴ天井。
畳は琉球畳で市松敷きに。襖もそれに合わせて市松にしてちょっとハイカラな雰囲気。
窓際も本当はお月様みたいな丸障子にしたかったけど、それやると窓があけられなくなるということで、書院を探したけれどサイズが特注すぎてぎりぎりまで出物がなかったため、アンティーク屋さんで格子戸を加工してもらうことになりました。
廊下側の扉は閉めたまま通気調整が出来る無双板戸を選択。
え〜〜。。自営業を継ぐため、神棚は必要とのことで、雰囲気と場所の関係上この部屋しか選択の余地がなかった(笑)
2Fがある場合、その上を踏むことになるので、ここならなんとか2Fがかぶらない位置だったので。
建築中の様子。洞床ってどうやるんだろ?と思ったら、石膏ボードでまず土台を設置して、その上からじゅらく塗りをする模様。(神棚スペースがえらく広いぞ)
そして昔からの夢「囲炉裏」
ここがメインダイニングを兼ねているので使いやすさも考慮して掘りごたつ式にしました。足下に床暖房を張り巡らして冬も寒くない。。はず。本物の囲炉裏だからこたつにはできなかったので一工夫。
窓際に地袋を置いて収納と物置くスペースを確保。全体的に渋いので、ポイントカラーとして襖部分を赤にしました。
段差とか作らないけどこの部分は畳敷き。
キッチンはTOTOのクラッソシリーズでハイ対面2700Wの広々スペース。背後の大容量収納もお揃いだけど、多分たりないので脇に似たような造りの収納棚も作ってもらいました。(2つ買うと高いんだもんw)こういう設備ってほんとびっくりするぐらい高いんだよねえ。業者指定の標準タイプ選べば多分半分くらいだったんだろうけど毎日使うものほど厳選したいのだ!
で、この囲炉裏上の天井は特に指示しなかったんだど、全体的な雰囲気を考えてここも化粧梁というのかな?おもしろい造りにしてくれました。
とにかく梁と柱がやたら多い家になりましたな。
細かいところで広縁の天井も代萩天井でなかなかよい雰囲気。
さて、こういう鄙びた和風はもちろん大好きなんですが、もう一つやりたかったのが「大正ろまん風」。
いや、全体的に和洋折衷にするつもりだったのですが、こういう微妙なとこは意図がなかなか伝わらないもので(^^;)
アンティーク屋さんとも相談した結果、それなら建具を主体に1Fを古民家風に、2Fを洋室風にと分けたら?という案をいただきまして、それで行ってみようと。
階段あがると別の世界。ってか結構洋風のものって和風の家屋としっくりくるもんですよ。。。というのも「そのへんは各人の感覚ですからねえ」と一蹴されたが結局住む本人が良いと思えば良いのだ!(笑)
一般的な居住空間以外に私の念願の部屋。それは「趣味の部屋」
好奇心が異様に旺盛で広く浅くがあまりにも、、なのでものがごっちゃごちゃやん。
ミシン、編物、はぎれその他の手芸用品。革細工や彫刻刀セットに人形粘土細工用品、銀細工粘土もあったな。
基本の工具箱に、自転車工具箱に、水回り修理用品工具各種セット。
自作パソコンパーツや部品、ルーターやら、漫画用のシルクスクリーンやカッターなんかもあったな。。(何がやりたい人よwww)
ついつい集めちゃうミニチュアのジオラマ的なものやフィギュアなどもちゃんと整理して硝子ケースに飾っておきたい。
とにかくそういうものをまとめておける部屋が欲しかったのだ。
ただまとめるだけじゃなく、トンテンできる大きな作業台もね。ってことで作業台と椅子はもう購入してある(笑)
出窓の正体はここです。色ガラスの扉や室内窓に合わせて、ここは照明も大正時代のアンティークものをゲットしてきました。
寝室は普段開放して1部屋だけど、いざという時は2部屋に変身できるよう、壁になる開閉スクリーンのしきりを設置して、ドアも2つにしてあります。
できるだけ広く、フレキシブルに対応LOVE。部屋数だけで考えたら多くはないんだよね。
さすがに数多く引っ越してきただけあって収納の重要さは痛感しているので、2Fにも納戸あり。あと衣替えとか面倒だし、あったことさえ気付かないままの服も季節の終わりに気付いたりするので、広めのウォークインクロゼット専用部屋を作って服は一斉にそこにまとめる。
さらに。。。本当は360度展望の屋上が欲しかったんです。ほら、日食、月食、流星群など特殊な天体観測や花火大会など、建物の陰で家からみえなくて悔しい〜〜〜ってあるじゃないですか。(どこまでもオタク)
でもこういう完全和風の形状だと屋根の上には作れない。相談を重ねて苦肉の策で編み出したのが「メインと逆側にもう一カ所バルコニーつくっちゃえ」
ただ、風水的な間取り上2Fの南北には作れなかったので、実質屋根の中にうめこまれた形で外からあまり目立たないとこに。
とっても不思議。表から見たら見えない謎のバルコニー(笑)
ここに出る通路が必要。でも3Fを作ると法律上の問題で何かと厳しく、ひとつの部屋と見られると税金も変わるんだって。
てなことで「屋根裏収納」という狭い物置を作って、隠しはしごで出入り。
見ての通りかなり狭く、屋根がかかるほうは93cmぐらいの高さしかない。
んが、この狭さ故にめらめら燃え上がるわんぱく子供の精神。
ピカポーン♪「秘密基地」
そう名付けた途端、味気ない物置のイメージは捨てられた。
マリン用品専門店に、頑丈な船窓発注〜〜♪これが見た目以上にがっちりしてて、防水パッキンもしっかり入ってる(笑)
壁紙もここだけ異色な汚し加工のものを選択し、それに合わせて照明もレトロなものをまた専門的に作っている別の店で発注。これからこの部屋をスチームパンク化改造計画。
と、いうわけで、古民家+大正ロマン洋館風+スチパン風という異なる風味ごった煮のおうちがもうすぐ完成します。
現在引っ越し準備もかぶっててんてこまいだけど、引っ越した後で庭や塀や車庫など外構を考えていかなきゃだが、今度はそこにフルタイムの仕事がかぶるのでしばらくずーーーっとてんてこまいまい。。。
最後に、今回自己調達してきたアンティーク建具たちの一覧。(和室窓の格子と欄間が抜けてますが)
リフォームでドアや襖などだけこういうのに交換してみてもがらっと雰囲気変わると思いますよ〜〜。値段もピンキリ幅広くあります。
今回家具も含めてお世話になってるのは「古福庵」さん。
古びた建具や家具類を生き返らせる素晴らしい技術を持っていて、自宅の間口に合わせたサイズ調整も行ってくれるし、使用したインテリアのバランス相談にものってくれる心強いお店です。