和風展への道−2

Hexagon

前後しますが、先に作成したのが1のメイン人物どどーんのほうでした。

こちらも誰を選択するかで非常に迷い、最終的に残ったのが木曾義仲の愛妾と言われた女豪傑の「巴御前」と万葉の代表的な歌人「額田王」でした。

しかし、この時点でかなり日数的に厳しくなっており、使用アイテムを考えるとどうみても飛鳥、奈良時代に近いものの方が存在しない。

鎌倉時代にかかるあたりなら、平安時代とそう大きくかわらないのでhisayanさんの装束が結構つかえそうだなーと思いました。

そこで最初は新しくなったV4を使って巴御前のほうをやろうかと思って、Mil.Babyで遊びながら構想を練っていたのですが、やはり個人的な興味の対象と見ると額田の方が私の中では大きい。

時間とのかねあいでかなり迷ったのですが、せっかく資料も揃えたし、あとから後悔するのもいやだなぁと思ったので、やはり額田王の方に挑戦することを決意しました。

資料は以前紹介した「日本の女性風俗史」の他に、里中満智子さんの漫画「天上の虹」、黒岩重吾さんのこの時代の歴史小説複数、井上靖さんの「額田王」それと奈良の明日香村にある飛鳥資料館から取り寄せた発行物である「飛鳥のイメージ」「萬葉の衣食住」など。

この時代が非常に興味をそそられまして、実際に訪れて飛鳥旧跡めぐりもしたことがあります(^^;)。やはり思い入れも大切かと。。。

そのうちPoserに使える書籍類や資料などもまとめておきたいなぁと思う所です。

で、当然いきなりつまづく「ない」ものたち。まずは全体の雰囲気を左右する服。

現在では単一民族国家のように言われていますが、初期の日本は百済や新羅、はたまたもっと西域から海を渡ってやってきて住み着いた人も結構多く、巨大な権力を有した蘇我氏もこの外来系と言われています。

文化は現在で言えば中国、韓国、朝鮮のあたりからもたらされることが大部分で、地理的にも近いためか非常に似ています。

そこでメインとなる原型の候補としてMFDも考えたのですが、コンパラの$10割引キャンペーンで購入したQin Shi Huang Clothing Set for the G2の方が近いかなと。

とはいえテクスチャがまったくの中華風なのもおかしいもので、文様は日本にも古くから存在していますので画像のある資料を参考として作成していくことにしました。

大変お世話になったサイトさんが

ビバ!江戸の名物裂のコーナー
粋屋

どちらも加工はOKですが再配布は不可のため、自分の画像用のみに使用ということで。

しかし、上にはおる短いベストのような上衣に合うものがみつからなかったので自作することになりました。そもそ服なんてまともに作ったことがないよ。。がんばれHexagon。

服のうえにかさね着するため、マネキンは下になる服としました。何から変形させてくのがいいか悩んだ末、円柱形のがやりやすそうだなと。(そんなものから普通服作る人いるのかな。。)

のばしたり、移動させたり、穴開けたり、もにょもにょいじくってなんとかそれっぽい形にしてみる。形ができたところでマネキンを削除して、UV展開、、、がやはりうまくいかなかったのでブラシツールで塗ってマテリアル設定だけし、一応の目安とするw。

リボンというか紐のようなものも適当くさく作成して別マテリアルを設定してくっつける。
あとは時代に合うようにテクスチャをフォトショで作成していれかえ。

これをフィギュアにしようとセットアップルームでボーン設定をしようとしたが、動作がうまくいかず、時間がないのでpropとして登録してそのままマグネット等でモーフして変形することにした。

髪型もなかなかこれというものが見つからず、最終的に変形多様なVictoria’s Changing Ponytail CollectionとVictoria’s Changing Ponytail Expansion Packの拡張セットをベースとして、マグネットでうにゅ〜〜と思いっきり変形させてみた。

ちなみにフィギュアベースはMiki2。体系的にもいかにも日本人っぽいし、出番もなかったのでちょっと起用してみた。しかしMikiの顔ってなかなか自由にはいじりにくいね。

マグネットだけではなんというか、あれこれやってみても今イチそう変わらないような。。。結構うごかしたつもりでも、やはりMikiだ。モデリングソフトでもっとなんとかしないとMikiっぽさは抜けないかもしれない。どうもフェイスルームは苦手だ。

あとは当時の化粧法などを参考にしながらテクスチャをいじっていく。額と口元にポイントをいれるのがおしゃれだったようだ。飾りも当時は素朴である。七宝焼みたいなものなのかな。

額田王は数多くのすぐれたうたを残している。おおらかで堂々としたものが多く、後の天武天皇である大海人とのやりとりなども非常に良いものがあるが、私の中で印象が強いこのうたを選んでみた。

熟田津に船乗りせむと月待てば潮もかなひぬ今は漕ぎ出でな

当時日本と関係の深かった百済が、新羅と唐から攻められて日本に救援を頼んできました。

それに応えて前線基地となる九州へ向かう途中に停泊した熟田津(愛媛の松山付近とも言われている)で、出航に際して額田によって詠まれたうたと伝えられています。
熟田津は「にきたつ、にぎたづ」など濁音がつく、つかないなど読み方にもいろいろな説があります。

当時の船は帆を主体としてあとは人力で漕ぐという旧式なものですから、潮の流れや風の向きなどがとても重要で長い航海は命がけという部分もあったようです。
この「漕ぎ出でな」という堂々とした力強い言い切りは皆に勇気を与え、不安を吹き飛ばす力を与えたのではないでしょうか。

ちなみに結局この出兵は大敗北を喫し(白村江の戦)、百済は滅亡し、時の斉明女帝は崩御することになるのですが、それは後の話。

大海人皇子(天武)、中大兄皇子(天智)という2人の後に天皇となった兄弟に深く愛され、言霊を感じさせるすぐれたうたを数多く残した謎の歌姫。
気高く凛とした雰囲気と意思の強さを少しでも表現できたらなぁと思って挑戦した作品です。

背景はVue。船もVueの付属アイテムの船を使ったのですが、後部の船室みたいな形がちょっと気に入らなかったのですが、、、えーい時間がもっとあったらなぁ。夜か朝かでも悩んだのですが

潮の満ち引きで、おそらく満潮の頃だろうと思い、雰囲気で夜を選びました。また、人物を背景となじませると主題がぼやけてしまうため、わざと別々にレンダして人物を浮き立たせるようにしてあります。人物はPoserレンダ。

組み合わせてフォトショでレイヤーをあれこれいじりまわして、色調調整などもやってできあがり。

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第2回和風展

私のこの「万葉の心」はこちら(画像クリックで拡大されます)

万葉の心
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