自然・動物ドキュメンタリー作品の中でも名高い1作。それがこの「DEEP BLUE」だろう。
イギリスのBBCによるテレビシリーズがベースになっているようだが、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の美しく壮大な演奏との絶妙なハーモニーで盛り立ててくれる。
これは本当は映画館の大スクリーンで見たほうがより楽しめると思う。
パイレーツ・オブ・カリビアンのごとき、もつれあって砂浜を走るカニの大群。
-50度の極寒の地で猛吹雪に耐えるコウテイペンギンたち。
飢えで衰弱しきった親熊にじゃれつく小熊のなんとあどけなく無邪気なこと。
水族館で見るシロイルカは傷ひとつないすべすべの肌なのだが、自然界ではほとんどが深いカギ裂きのような爪あとが残り、生き抜くのがどれだけ壮絶かを伺わせる。
いわしトルネードのスケールも水族館とは桁違いだし、マグロの速度は驚異的だ。
母なる海は、かわいらしくユーモア溢れるものばかりではない。
アシカに襲い掛かるシャチは、ものすごいスケールで圧倒的なパワーだ。一度噛み付いた後に空高く放り投げる様は自然の厳しさ残酷さを思い知らされる。
アザラシだけではなく鯨さえ襲う。海で一番凶暴なのはやはりこいつではなかろうか。
しかも自己防衛のできない「子供」ばかりを親の手から奪い取って引き裂くので、子供を持つ親にとっては絶えがたき拒絶反応、反応を示すかも。。
たった一匹迷いでた魚に十数匹で一斉に襲い掛かり、残忍に引き裂くサメの様子も恐怖だ。