イレイザーヘッド

Artistic

環境変わって映画館にもなかなか行けなくなってるとこなので、手持ちのデヴィッド・リンチBoxをちょいと覗いてみた。
この「イレイザーヘッド」は、製作・監督・脚本・編集・美術・特殊効果までデヴィッド・リンチがやったというデビュー作で、名前と画像は知っていたが見るのは始めてだった。

えー、、この映画にストーリーとかあらすじとか書く必要はなさそうだ(笑)
終わらない悪夢の中を漂い続ける感じ。。

ああ、こんなシュールで前衛的な映画だったんですな。後年の「ツイン・ピークス」がどれだけわかりやすいというか雰囲気掴みやすいというか。。
「アンダルシアの犬」あたりに近いイメージ。
ここまでいさぎよくシュールだと、そのよくわからぬ世界観が心地よいほど。

モノクロで、古い映画だから解像度の設定とかできないようで、うちのワイドスクリーンテレビでは上下に黒い帯が入り、左右は白い帯でさえぎられて画面が小さくなっちゃったのが少々不満。

コントラストのかなり強い光とスポットの演出、意味があるようなないような効果音の入り方がタルコフスキーをも彷彿とさせる。
この後何かが起こりそうな、意味深で不安にさせるカメラワークなどスタンリー・キューブリックの処女作に通じるものがあるかもしれない。

とりあえず出てくる登場人物でまともな安定した精神の人はいない。
全員ヒステリックかノイローゼか現世を離れてしまったような人々ばかり。。主人公も最初から落ち着きなく挙動不審で常に不安げな表情してます。

個人的には、夕食の鳥の丸焼きの動きと反応する彼女のお母さんの姿が。。。
パネルヒーターの奥に潜んでいるおたふくなレディは、歌わず首をすくめた笑顔がなんともたまらない。ツイン・ピークスの踊る小人を思い出すような映像だ。
特撮やCG技術が進んでる今なら違和感ないかもしれないが、あのE.T.のような赤ん坊のリアルさや表情はいったいどうやって作り上げたのか興味深いところである。

こういう前衛的な映画も、先人がいた当時でも賛否両論激しかったようですが、今でも何がおもしろいのかまったくわからないという人も結構いるだろうな。

いわずもがな、私は大好きです(笑

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