1982年に公開された「ブレードランナー」。
レプリカントの反乱が起こったのは2019年11月。つまり今年の来月だ!!
そういえば「1999年7の月。。。」というノストラダムスの予言の時もなんとなくワクワクしていたが何も起こらなかったんだっけ(--;)
とにかくあの雑多な街並みとキッチュな雰囲気が好きだったので、35年を経て作られた続編ということで、楽しみに見てみた。
前作の描いていた未来である2019年に到達してしまったので、現在からみてさらに未来である2049年。
温暖化の影響で海面は上昇し、地形や気候もおかしくなっている。
農作物も畑では育たなくなっているようで、食物供給の方法も今とは変わっているらしい。
レプリカントもかなり技術が進化して ネクサス9型 と呼ばれるものが台頭。
製造元もタイレル社からウォレス社へと変わっている。
旧型のレプリカントを「解任(つまり抹殺)」する任務を帯びたレプリカントの「K」が今回の主役。
家事全般をこなし、家の中ではホログラムより精密に実体化する女性型AIの「ジョイ」と共に暮らしている。
ある旧型レプリカントを「解任」した時に、木の根元に埋められたトランクの中に白骨化した女性の遺体を偶然みつけ、分析結果からありえない事実が判明する。
前作のブレードランナーであるリック・デッカードとレイチェルがここでかかわって来ることになり、探るうちに「K」はとんでもない事実と自分が関わっていることに気が付き始める。
果たして自分の持つ子供の頃の記憶は自分のものなのか?捏造された記憶を植え付けられただけのものか?
本当は自分はレプリカントなのか?人間なのか?
激しく揺れ動くKの感情とジョイとの関係。リックと自分の関係。
真実を知るための戦いと裏切り。
レプリカント以上に冷徹に見える人間たち。
映像的には旧作よりもかなり洗練されて、無駄を省いたすっきりした機能美が映える。
どこかタルコフスキーっぽい場面もある。
あのどこか退廃的でぐちゃっとした感じが好きな私にとってはそういう点も含め別物に思える。
同じように西洋東洋ごちゃまぜな街並みなんだけど、裏が表になったような違いが感じられる。
ストーリー的にもどこかスマートなので物足りなさを覚えるが、それはそれで現代的で良いのかな?
さすがにハリソン・フォードはだいぶ過ぎ去った年月を感じる。
結局解明はされていないが、レプリカントであれば人間と同じように年をとるものなのか??
構成やストーリー、ミステリー性にビジュアル的な美しさとリアルさなど、映画としての要素はかなり整っていると思う。
のだが、逆にその無駄のない綺麗さが個人的にはものたりなかったりもする。