数に溺れて

「シシー」と呼ばれる血縁の3人の女性。。親(60歳)、娘(34歳)、孫(19歳)が、それぞれの旦那を順番に溺死させるのだが、ミステリーとかサスペンスではない。
なにしろ計画的な殺人で入念な隠ぺい工作をするというわけでもなく、日常の流れの中で無表情に淡々と水中に沈める。
そしてすべてに関わり事実を隠蔽する検視官は、つけ込める女なら年齢関係なさそうな節操のなさ(´-ω-`)
その息子は道端の死体を見つけては曜日ごとに色分けして熱心にナンバリングしていく変人。
当然疑惑を持つ人々も増えていくわけですよ。

例によって?
鳥の死体が目の前にぶら下がる背後で、真夜中に数え歌を歌いながら縄跳びする少女という何ともわからん設定から始まる。そしてタプタプのおっさんとアバズレ女の無修正全裸(笑)

様々な虫(綺麗系ではなく蛾とか甲虫とか)と道端や草むらに転がる[何か]の死体と意味不明な死をテーマにしたゲームの合間に頻繁に登場する数字。
登場人物たちの相関図も何ともあいまいで、なんでここにこの人が?というところもあるが、そういう現実的な細かいことに気を囚われていてはこの人の作品は見れない。
人間自体が抽象的で象徴的なオブジェクトの一部といったところか。

退廃的で、官能的な危うさと美しさはピーターグリーナウェイらしい。
マイケルナイマンの音楽もいつも通り情緒を盛り上げる。

でも展開がやや陳腐な昼ドラめいていて
実はちょっと途中で睡魔に襲われて巻き戻す羽目になったのだが、、、

順番を追ってちらちらと出てくる数字の繰り上がりが気になって数え始めたらもうあなたも囚われてます(^_^)
途中から紛れ込んだ70と71の謎のランナー2人がその数字をかき乱してくれるのですがw

わかっちゃいるけど最後は死の行進となり、だけどそこが一番叙情的で美しいのだな。
縄跳びの人形のような少女、死体以外にこの娘に興味を持つ検視官の息子、検視官自身、、、

他の作品のようなグロさは(比較的)なく、淡々としている。
登場する女性たちがとにかくみんな美女!
それぞれ夫に対して積りに積もった不満と倦怠感が渦巻いてはいるが、激しい怒りは表現されずにむしろ冷やかである。
にも拘わらず、殺した後に一様に一筋の涙を流すのも印象的でそこに一抹の人間らしさが見え隠れしてる気がする。

とはいえ個人的には、今まで見たピーター・グリーナウェイ作品の中では上位にはこないかなぁ。
あくまで感覚的な好き嫌いなので人によってはかなり好きな人もいるでしょうな。

数に溺れて《無修正HDリマスター版》 [DVD]

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