地獄の黙示録 ファイナルカット

War

ベトナム戦争中にアメリカ軍より密命を受けた男の運命を描いたフランシス・フォード・コッポラ監督の名作。
戦争映画なんだけども、実際の敵対する戦場のドンパチよりも、自軍の戦場での狂気や道徳の崩壊を見て動揺し、変化していくある男の心の動きを追った内容。
イギリスの小説家ジョゼフ・コンラッドの小説『闇の奥』を原作としている。

洋画「地獄の黙示録 ファイナルカット」公式サイト
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長く続くベトナム戦争によって、ジャングルの戦場に魅入られたアメリカ陸軍空挺将校のウィラード大尉。
安全な生活よりも過酷なジャングルの記憶が深く根付いて、離婚してでも戦場に戻ることを希求する不安定な精神状態に追い込まれていた。

そんなある日、待ちに待った軍部からの呼び出しがやってきた。

カンボジアの奥地で現地人を率いるようになり、理性がだんだん崩れて別人のように変わってしまったというカーツ大佐。
輝かしいエリート軍人として活躍していたが、特殊部隊として任務に就いたベトナムで何が起こったのか、もはや米軍の司令は無視して手に負えない暴走をし始めたという。
それを止める、、つまり極秘裏に抹殺せよというのが彼の任務であった。

そう、この映画は対ベトナムではなく戦争中に同郷の仲間であった米国軍人を殺せという話なのだ。

最前線へ向かってみると、大音量で音楽を響き渡らせながら、コーヒーを飲み、サーフボードを積んだヘリで、機関銃とミサイルを連射してベトコンの村を焼き払う第一騎兵師団。
どうやらサーフィンをしたいがために、良い波が来てそうなベトコンの前哨基地を襲撃することにしたらしい。
戦場の真っ只中、死体が折り重なり銃撃の飛び交う中で、波乗りを試みようという狂気。

戦場であるジャングルの奥地にステージが作られて、慰問として盛大なバニーガールショーなどをやっている場違いさ。
ドラッグに浮かれたバカ騒ぎに、命の軽さが際立つどこかタガがはずれた世界。

とにかく騒がしいほどに音楽と様々な音が溢れていて、妙にノリが軽い。
え?こんな映画だったっけ?と思う。

2/28(金)公開 映画『地獄の黙示録 ファイナル・カット』予告編

このファイナル・カット版は劇場版よりは多くの未公開シーンを含んでいるが、『地獄の黙示録・特別完全版』の方がもっと長いらしい。

撮影時のオリジナル・ネガフィルムが使われているのも売りらしいし、デジタル修復されて4K版になっているため、画像が非常に鮮明なので古さを感じさせない。

若い頃のマーロンブランドは渋いし、ウィラード大尉役のマーティン・シーンもかっこいい。

ウィラードは足跡を追ううちに、こうした各地の状況を見て、どこか狂っていると徐々に不信感が湧き上がって来て、カーツ大佐の行動が理解でき始め、上層部の言うことを鵜呑みにはできない疑惑も生まれてくる。そしてカーツ大佐という人間に興味を持ち始める。

カーツの元にたどり着く前に、偶然立ち寄った川べりに住み着いていたフランス軍人の口から『前例のない無意味なたたかいだ』『君たちは何のために戦っているのだ?』と、問いかけさせているのも印象的。

ベトナムの川を遡った先のカンボジアのジャングル奥地に、文明の名残のような自らの王国を作り上げたカーツとの対決の結末は!?

大義名分と欺瞞、隠れた真理と疑惑、共感と不信感などがないまぜとなった戦争の裏側にある人間の性のようなものがあぶりだされる。
さすがに撮影と編集に長い年月を費やし、製作費も桁外れな見ごたえのある映画のひとつではあるが、なんだろねえ。
比較的軽いタッチでストーリが進むのと、音響が騒がしいのと、ドラマチックに演出しすぎな感もあって戦争映画の中ではややエンタメ寄りかな。

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1960年代末、ベトナム戦争が激化する中、アメリカ陸軍のウィラード大尉は、軍上層部から特殊任務を命じられる。それは、カンボジア奥地のジャングルで、軍規を無視して自らの王国を築いているカーツ大佐を暗殺せよという指令だった。ウィラードは4人の部下と共に、哨戒艇でヌン川をさかのぼる。(C)2019 ZOETROPE CORP...