いわゆるスパルタ教育という言葉の元となった、古代スパルタの強い兵士を育てるための苛酷で厳しい文化とスパルタ兵士たちの並外れた戦闘力が伺える。
結構真面目に歴史もののように見えるが、フランク・ミラー原作のグラフィックノベルをベースにしているそうな。
内容的にはペルシア戦争におけるテルモピュライの戦いをベースにしているようだ。
ペルシア戦争とは、紀元前499年から紀元前449年の50年にわたって、アケメネス朝ペルシア帝国がギリシャに帝土を広げようと攻め込んできたもので、社会科の授業でも習ったよね。
神のお告げ(託宣)は法律。
絶対に守るべきもの。
しかし危機が目の前に迫っていて、放置すれば国が滅びるとわかり切っているのに、なにもしないでいるのが民を統べる王として正しい選択であろうか?
ギリシアのアギス朝のスパルタ王、レオニダス1世を主役としている。
ペルシア帝国から服従せよとの使者がやってきたが、デルポイの神託によって非戦と決定されてしまい、スパルタ評議会も非戦の方針を支持した。
しかし、服従というのは体のいい奴隷となれと言っているようなもので、それを飲むことはスパルタ自体が消えることでもある。
(この時の託宣は「王が死ぬか、国が滅びるか」と出たという説もある)
「神託だから」というのはある意味都合の良い思考停止である。
本当に「神」が告げたのか?邪神の恐れは?いや、そもそも戦争は嫌だ、面倒は避けたいという人間の深層心理が出てきてないか?神官の介入や八百長はないと言い切れるのか?
自分たちが危機に面しているのに神託だからの一点張りで静観しようという群衆の中で、王は300名の親衛隊だけを率いて迎撃する決断を下す。
実際には他部族のギリシア連合軍も加わったので7000人くらいにはなったようだが、30万とも100万とも伝えられるペルシア軍の前にはあまりにも絶望的だ。
映像的にはかなり綺麗で、特定の色が引き立つようにモノクロームの中工夫されている。
スケール感もありキャラも際立っていてなかなか面白い。
劇場で見たら臨場感がすごい圧巻の戦闘シーンであったことだろう。
そしてスパルタ軍は全ての兵士が肉体美溢れるまさに筋肉の祭典(笑)
全体的にはかなりリアル路線だが、もはや半分人ならざる容貌のもの、不死軍の仮面、当時は珍しい東方の動物、征服した様々な国々の異なる民族の兵士たちなどファンタジーっぽい要素も含まれる。
そして、それらがすべて「ペルシア軍」であるというところがちょっとミソ。
まさに「真っ黒な悪の軍団」風味?
クセルクセス王はアクが強いけど意外と好きだったりするがw
ありがちであるが、親しい人が亡くなった時の嘆きようは激しいが、敵を大量虐殺した死体は山と積み上げ蹴り倒して崩して道具のように使ったりする。
人として見るのはあくまで身内のみというのが、戦争におけるエゴむき出しのところともいえるのだろうが。。
また、何故かお色気シーンもばっちりで、戦闘系は血潮飛びまくりのエグさなので子供向けではないので要注意。