日本沈没(1973年)

Disaster/Animal disaster

『復活の日』が非常に面白かったので、同じく小松左京氏の代表作のこちらも見てみようと。
2006年に樋口真嗣監督によってリメイクもされてるし、今年はNetflixでアニメ化もされたね。

昭和の時代を代表するような情景がわんさか╭(°ㅂ°)╮╰(°ㅂ°)╯
家でも外でも会議中でも打ち合わせ中でもやたらみんなタバコや葉巻をスパスパもくもく、、、
でも設定は近い[未来]であるらしい。製作が1973年だからね。

小笠原諸島の北方海底で、大きな地すべりが起こって小島が沈没した。 日本海溝でなにか異常が起こってるのではないかと潜水艦で深海探索へ、、、この潜水艦がおもちゃみたいで可愛い(´﹀`)
乗務員がポロシャツやジーンズだったり、スーツだったり、それぞれ適当臭い服装なのがちょっと気になる。

若い頃のいしだあゆみさんのビキニシーンも見れるぞ(*^^)v

地殻変動の仕組みなども解説してくれるよ!
しかし、面倒くさく難しい専門的な話は聞き流して「どうせ今すぐどうこうということもないだろう」という切迫感のない官僚会議。
田所博士だけはこの異常事態の引き起こす致命的な災害の危険性を認識していた。

んが、まずは東京が災害にみまわれる。
襲いかかる大地震、崩壊、火事、連鎖する事故、全てを飲み込んでいく津波、、、
自然の猛威には人間は為す術もない。
溢れた避難民たちは安全な場所を求めて皇居に押し寄せパニックに。
その様子は阪神大震災や東日本大震災を彷彿とさせる。

我が国は未曾有の大災害、予測不能な被害を想定して計画を立てて、敏速に準備、実行することはできるのか。
こんな時、日本を担う総理(丹波哲郎)はどのような決断を下すのか?!

小松左京さんの作品は非常にグローバルなので国連や世界各国との折衝などもでてくる。

日本沈没予測までの猶予はわずか10ヶ月。
1億3000万を超える国民の命を救うことができるのか?!
これだけの短期間に、これだけの大人数が国外逃亡、移民として受け入れられることはあるのか?!

祖国が文字通り「消滅」するとしたら、自分ならどうするだろうか。
他国へ逃げたとしても、「客」ではない。
何も持たぬ何も知らぬ体ひとつの難民。

「私は日本人である」という言葉が意味をなさなくなる世界。

新しい土地で新しい国に属して新しい人生を始めるのも選択なら、祖国と共に運命を共にして消えていくのもひとつの選択。
誰かと共に、誰かのために生きるのも選択の目安になるかもしれないし、誰に強要されるでもなく唯一無二の日本人として誇りを抱いて死を選ぶのも止める権利はない。

ちょっと前にちょうど何かのTV番組で、小松左京さんと関わった人のインタビューをやっていて、古いのに色あせない圧倒的なリアリティの秘密はどこにあるのか?というような話があった。
SF作家といえばまさにどれだけ空想を働かせてフィクションの世界を作り上げるかというところもあるのだけれど、彼はとにかく事前の綿密な調査やデータ集めや専門家に聞きだすなどの下準備にめっちゃ時間をかけていて、自分の中で納得、消化してから書き出すタイプだったようで。

そこへさらに、「その時を生きる人間たち」がどのような思いを抱き、どのような行動をするだろうかと人間観察とでもいえる肉付けをしていくことで生き生きとしてくるのだと思う。
なんだか実際に起こっても不思議じゃないぞと感じさせるとこが小松左京さんの魅力ですな。

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