なんだか年末年始にどよーんとする映画ばかり続けてみてしまったので、なにかほのぼのかワクワクするような映画を見たくなった。
で、何となくAmazonプライムで探していてみつけたのがこれ。
インドの貧しい村に住む兄弟は、生きるために違法なこともしていたが、仲睦まじくそれなりに幸せそうに暮らしていた。
幼い弟は兄に寄り添い、無理を言って夜の仕事に行くというのについて行った。
しかしまだ幼児、眠さに勝てず駅のベンチから動かなくなり、しょうがなくそこで待てと言われたのに起きたら勝手に動き回ってうっかりどこに行くのかも分からぬ列車に乗り込んで遠くに運ばれていく。
おバカさんですね?(ㅇㅁㅇ川
同じインドだけど見知らぬ遠い街で浮浪児になっている所を親切そうなお姉さんに拾われるが、、、
子供の本能的な嗅覚スゲー(ㅇㅁㅇ川
この映画ではきらびやかな観光地ではない貧しい暮らし、浮浪児の群れ、管理の行き届かない孤児院、ひそかな児童虐待などが描かれる。
人身売買も裏で行われているようだし、海外との養子縁組斡旋なども活発なのかな?
ひとつ理解できないのは、身寄りを失ったり放棄されたりした完全な孤児だけではなく、自分の家もあり、親も健在なはずだが迷子で実家が見つけられないと主張してる子供まで海外に送り込んでしまうところ。
これはその子のいうことが妄想か嘘かと決めつけちゃってるからなのか、本当の家族たちが見つかった場合どう言うのやら。
あ、ちなみにこれは実話のノンフィクション著書を原作とした映画です。
どこまで忠実かは分からないけれど、ある程度現実に沿っているのではないかと。
数奇な運命で裕福なオーストラリアの夫婦の家に養子として迎えられるのだが、このご夫婦が過去のトラウマとかもあったにせよ、とんでもなくボランティア精神に溢れた優しくよく出来た人達で、乁(°ω°`乁)マジ神✧*。
この後さらに心に深いトラウマの闇を抱えて精神的に病んでると思われる義弟も引き取るよ。
血の繋がりもなく、言語や環境も違う他国の子供をひとりでも救うために生涯を捧げる?
偽善だとかわめく人もいるでしょうが、自分の時間や精神や財産を犠牲にしてまでそこまで尽くせる人はどれだけいるでしょう。
金があるからのゆとりだとしても、じゃあ金持ってる人たちがすべてこうなれるかと言えばどうでしょう。
やっぱ生半可な覚悟ではできないし、自分はこうはなれないから純粋にすごいと思う。
惜しみない愛情を注がれて何不自由無く大人になるまで育てられたがふとしたきっかけで幼少時代の記憶が蘇り、いろいろな文明の利器もあり、大学まで行かせてもらえた頭脳もある環境で自分のルーツを見つけたい欲望が抑えられなくなる。
聡明で優しく愛情深い自慢の息子だったはずが、気遣う反面で言ってはならない最も傷つけるだろう言葉で育ての母をなます切りにする過程はあまりにも痛すぎる(´•̥ ̯ •̥`)それ絶対口にしたら傷つけるって聡明なあなたなら想像できるだろうに。
まあ題名からも見てのとおり結果的には「ただいま」できるんだけど。。。
結構無名の子役の幼少期時代も長く入ってるんだけど、この子供時代の不安さと純粋さの入り混じったこの子がまた良い!
決して恵まれてはいなかったが、暖かく優しい母の思い出と、大好きだったお兄ちゃんとの日々。
そしてサルーとはぐれてからのにいちゃんがどれだけ苦しみ、自分を責めたかと思うとなんともやるせなく辛い。最後まで目を離した自分を許せなかったんじゃないかと。
何不自由なく生きてきた25年の間、大事な可愛い息子を次々失った家族たちはどんな思いで過ごしていただろうね。
と、いうわけで、全然ほのぼのとかわくわくといった感じにはならなかったが、家族の形と絆を見せられてなんとなくしんみりじんわりとしました。
ちなみに題名の「Lion」の意味も最後の最後で明かされます。そうだったのか!Σ(゚Д゚ノ)ノ
あと「ライフ・オブ・パイ」を想起させる幻想的な映像もちょこちょこ挿入されていて美しい。