火天の城

Historical

これは宣伝をみた時から行こうと決めてました「火天の城」。
何しろあの、「安土城」の築城の話ですよ!!。

次々に諸大名を切り従えて、天下を見据えた信長が、要害の地として選んだ安土の山。天下統一の象徴ともなる巨大な山城。

外見5層で実は7層からできている、類を見ない奇妙な八角形をはさんだ本丸天守。
それがどんな風にしてできたか知りたいじゃないですかっ!!

信長の天下統一へ向けての道のりや、本能寺で倒れるまでの様子は、数多くの小説や映画にもなっている。

でも、この映画はその信長本人ではなく、命令されて腹を括った「宮大工」「石垣職人」そして一緒に作り上げて行く数多くの民衆が主役となっている。
そこがまた非常に興味をそそるのですよね。

できあがった城は立派で、美しい。
けれどそれが出来上がるまでには、多くの名も知られぬ民衆の血と汗と涙がどれだけ流されたことか。
余裕のまったく与えられない時間の中での命がけの仕事。君主の命令は絶対で、不満のひとつでも言おうものなら即座に首が飛ぶ時代。

この大仕事をまかされた岡部又右衛門役はベテラン俳優の西田敏行さん。
どうかな?と思ったけれども、こういう素朴な人物役には非常に合いますね。

大抜擢で成功をおさめれば確かに得られるものも大きいでしょうが、そのプレッシャーは想像を絶するものだったに違いありません。なにしろいつ首と胴が離れてもおかしくない状況ですから(^^;)

その不安に揺れ動くさまや、それだけは譲れぬ熱情などをしっかり表現してくれています。

石垣など石材の采配をする石工の頭領役の夏八木勲さんや、又右衛門の手足となる若頭役の寺島進さんなどは、もうそこにいるだけで存在感ありますね~~~。独特の空気がある。

信長役ははまり役というのがとても難しいと思うのですが、今回は椎名桔平さんが熱演しています。涼やかな顔立ちとすっとした目元がイメージに近いのかな?

「伊達政宗」といえば今でもだいたいのひとが「渡辺謙」さんのイメージが定着しきってるようですが、あれぐらいのはまり役となれたらいいですね(^^)

で、ちょいとびっくりしたのが豊臣秀吉役が「次長課長」の河本準一さんだったこと(笑)

秀吉は今までもいろいろな人が演じてきており、頭角を表面に表してくるまでの間は陽気なお調子者風を装っていたようなとこもあるので、意外とこういう人があうかも。(竹中直人さんも結構いい感じでしたね。)

他にも結構個性的な役者さんが揃っていて、キャスティングもおもしろかったです。

で、内容はと言えば。。。。
えー、これを見て、安土に行ってみたくなりました!
これだけのものが、たった3年で焼失してしまったことは、非常に惜しいですね。

でも、この城づくりに懸けた、熱い思いやロマンは伝わってくるんじゃないかな。そういうものが感じ取れる内容です。

最初は、妙な恋愛ドラマチックなのや、人情物語みたいな挿話はいらんやん?と思ったけど、それが伏線になってくる部分はいろいろあるわけで。。。城作りは、それに関わる人々の物語でもある。

すべてを人力で、あれだけのものを完成させた当時の人々の仕事ぶりに頭が下がる思いです。事故とかも多かったでしょうし。

「大黒柱の4寸切り詰め」は見物です。ものすごいことを考えつく人がいるもんだ(ーー;)
個人的にはね、安土城完成間際や、完成後の城の様子をもっと見てみたかったなあと。

ほんとに「城作り」の話のため、その後の信長のことや、城が崩れるところまでやらなかったのが、いさぎよい気がしました。
多少間延びする感じもあるにはありましたが、総合的にみておもしろい映画だと思います。

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