簀巻きにした死体らしきものを、海に不法投棄するガリガリに痩せた男トレバー。
「who are you?」
「それ以上痩せたら死ぬわ」
というキーワードのようなものが耳に残る。
男は労働条件の酷そうな工場で働いている。
いつも疲れた顔で腰を下ろすとうとうとしそうになるが、実際にはもう一年は眠れていない極度の不眠症らしい。
ある日休憩中に「アイパン」と名乗る巨体の男に出会う。
同じ工場内で働いている仲間だと言うが、それからおかしなことが起こり始める。
現実か?幻影か?
時々起こるフラッシュバックとデジャブのようなものは何を意味しているのだろうか?
また、覚えのないメモが部屋に貼り付けてあったのは何だろう。(だんだんと答えが明かされていく)
後半はもはやヤク中か、精神異常者か狂気の世界。
周囲の人間の方が彼の存在が恐ろしくなる。
こんなやつが家や店に来たら警察に速攻通報したいですよ。、
もはや誰も信じられない。
職場も街も自分でさえも。
そして、最初に戻る。
彼は誰を殺したのか?
今までの生活の記憶は何だったのか?
謎の男アイバンの正体は?
人間というものの精神の複雑さ。
忘れてしまいたいことと良心のせめぎ合い。罪悪感と記憶のすり替えによる現実逃避。
特に最後に種明かしをするわけではないが、今までの伏線となっていた断片的な出来事が一気につながって見えてくる。
なかなかおもしろく深いサイコスリラー的な映画ですね。