この映画を選んでしまったのは、やはり最近の草津白根山の噴火のことが頭にあったせいだろうか。
長年休火山として静まり返っていた山の麓にある町を襲う異変。
最初にコロンビアの衝撃的な噴火災害(おそらく1985年のネバド・デル・ルイス火山の噴火によるアルメロの悲劇をイメージしたものか)で、パニックに陥る町と大切な人を守りきれなかった深いトラウマになるような記憶から始まる。
それから数年を経て、その地質学者のハリー・ダルトンがノーザン・カスケード地方にある「ダンテズ・ピーク」と呼ばれる町に、何やら気になる兆候が表れたということで調査にやってくる。
どうもこのダンテズ・ピーク自体は仮想の山らしいが、北米のカスケード山脈は実際に火山群として噴火したこともあるのでその付近にある山のイメージといったところのようだ。
近年大地震や津波で大きな被害を出し、まさかと思っていた観光地の休火山が噴火した我が国としては、事前に察知して速やかに避難することの重要性を痛感するところだが、政治的、経済的な観点から考えると「無駄に」パニックを誘発するような事態は避けたいというのも実際にあるのだろう。。。。。そのせいで対応が遅れて後からより事態が深刻になることも体験したよね(--;)
とはいえ火山の噴火というのは、例え疑わしい点が見つかっても、いつ、どこでという確信は持てないものらしい。
可能性はあるにせよ、もしかしたら数ヶ月後かもしれないし、数十年、数百年後かもしれない。
もし噴火が「起こらなかった」場合、「あそこは危険らしい」という風評被害により観光客の足は遠のき、町からも人が流出するかもしれない。
さらにちょうど町のイメージアップにつながる賞が贈られて、これから何やら大規模な投資による開発がおこなわれるというタイミングとあっては、確信できないことは騒ぐなという方針に傾くのもあり得る。
現代はどんどん技術が向上して、それぞれの専門分野ですごい機器が作られているのかもしれない。
人間の知覚では感じ取れないような微細な振動や化学物質の漏出など検知できるのは素晴らしいことだが、すべてを委ねて信頼しきるのも危険。自然はやはり機械ですべてを図り切れないんだなぁ。
人間も動物の一部。野生の勘も鈍らせるな!!(ง`0´)ง
ストーリー的には比較的シンプル。
後手後手にまわった街を火砕流が襲い、逃げ惑う人々と逃げ遅れた人たちの阿鼻叫喚。
判断を誤った人たちはまるで贖罪のように。。。。。
深く心を打つというたぐいのものでもないが、迫力ある噴火と溶岩などのシーンは自然の恐ろしさを改めて考えさせてくれます。始まったらほんと時間がない。
しかし草津国際スキー場の冷静な避難誘導はほんと敬服する。
避難訓練を毎年しているとはいえ、まさかこのスキー場間近が噴火するという事態を本気でイメージできてた人はそうはいないと思う。
普通に観光地、登山の名所でもろ私も登ってた付近だよ。。。