お上品なジャケットに反して、まあ最初から陰惨でお下品な映像から始まる。今更驚きもしないが(o˘д˘)o
そしてあの特徴的な音楽で、ああやはりピーター・グリーナウェイだなと思う。(おなじみのタッグ、マイケル・ナイマン)
題名ぐらいは聞いたことがある人もいるんじゃないかと思われる、結構有名な代表作のひとつだ。
そして極端なボーイソプラノと豪華絢爛なセットとジャン=ポール・ゴルチエの衣装。
プロスペローの本やzooなどに通じる雰囲気はあるが、珍しく俗っぽく感じられる。
まあ主演となるのが傲慢で荒くれものの悪党一味なのだからお上品にはならないわけで。
しかも、その荒稼ぎした金で経営してるのが、なんと高級フレンチ・レストラン。
あ、、、、ダンブルドア校長っ!
しかし誘惑があまりにも大胆で性急なのでおかしくなってしまう。
頭が弱そうだけど、なんか可愛がられているミッチェル役のティム・ロスもいい味だしてる。
その結果生まれるのか、厨房と情事の不思議な映像のコラボ。
厨房と言っても並みの広さではなく、何かの巨大工場のようだ。
一般的な清潔感のある機能的な空間を想像するとかなりかけ離れていると思う。
当然無修正のバシバシヌード。
壁越しに部屋をまたぐとがらっと入れ替わる色彩。
料理も見た目が美しく凝ったものが提供されている。
そこから死と腐敗
純真、無垢への冒涜
など、定番とも言えるテーマが続いてくるのでああいつもの感じだなと思う。
美しいものとおぞましいものの背中合わせ。
むき出しの欲望。
相対するようにみえるものがどこかで強烈な手法で融合させられる。
が、自体は急展開を迎える。
このあたり一般的な感覚ではそうはならない方向へ方向へと流れていき、衝撃のラストへ怒涛の展開となっていた。
常識的な想像の範疇を飛び越えてきちゃうのはさすがだな。
セリフが多く、場面にもがちゃつきが見られるが、話の流れが追いやすく分かり易いのでグリーナウェイ入門的な所はあるかもしれない。
今見ると、ストーリーの流れ的にはいまいち滑らかでないんだけど、意外と理解を示す人が多い作品。
(私の場合入口がベイビー・オブ・マコンだったからまだ優しく感じるw)