たかが世界の終わり

地方の単館で、ちょっと面白そうな映画をやっていたので覗いて見た。
マリオン・コティヤール,ギャスパー・ウリエル,ヴァンサン・カッセル,ナタリー・バイ,レア・セドゥ、、、、、
何気に良い配役使ってるやん!

12年前に家を出た主人公のルイが実家に帰宅する。
実は彼はゲイで重い病気にかかっており、まもなく自分の命が終わることを家族に告げるために。。。

恐ろしく偏屈でプレッシャーと劣等感に苛まれている嫌味な兄。
退廃的、反抗的だがどこか寂しそうな妹。
弾けちゃってるようで楽しい家族たちを演じたがる、本当は不安いっぱいそうな母。
物静かで異常な家族たちの中で目立たないように生きているが、激しさも秘めてるようなどこか蠱惑的な兄嫁。

どこか壊れて不自然な距離感の家族たち。
本当はもっと伝えたいことがあるはずなのにあまりにも不器用でぶつかり合うことしか出来ない。
とにかくみんなが何やらやたら苛立ちを感じている。

表面的にみると、あまりにもアクが強い家族たちがごちゃごちゃ騒ぎまくって、物静かで始終気弱な微笑みを浮かべてるルイがせっかく大事な話をしに来たのに寄ってたかって押しつぶしててかわいそうに見える。
こんな家族たちだったからルイは我慢できず家を飛び出したんじゃないの?って。

だが、注意深く言動や表情を観察してるとその雰囲気を作ってしまったのがルイじゃないか?と気づく。
兄があそこまで突っかかってくるのは、家族でありながら多分家を出る以前から家族たちに無関心で、如才なく人当たりは柔らかいが本音でぶつかろうとしないルイの他人行儀な態度が悲しく寂しく受け入れ難かったんじゃないかなと。
わざわざ二人きりで出かけたのだから、本気で関わり合いたくないと思ってはいなかったと思う。
だからこそ、表面的な和解のセリフの後に、この家族たちがいる我が家ではない所へ「帰る」と言ったルイの言葉に爆発したんじゃないかな。

妹もルイと過ごした思い出など記憶にないにも関わらず「お兄ちゃん」の幻想を追うように、たまに来る一言の絵葉書を大事にため込んでいたり、普段しない化粧などして「大きくなった自分」をアピールしようとしたり。。。
長男の態度に突っかかり、感情むき出しに怒れるのも家族ならでは。
表面的な優しい会話だけの方が他人行儀で変な気を使って不自然なのかもしれない。

配役やキャラクターはとても良い。何気ない休日の1日のようでいてぶつかり合う感情ともつれは深い。

のだけれど、妙に意味深なようで伏線になっていないめちゃくちゃ寄ったアップの多用と、突発的な音楽や音響効果がなんかチグハグで画面に合っていないような気持ち悪さを覚えた。
ストーリーもイマイチまとまりがなくて、何をどうしたいのか結局伝わってこない。

カンヌ国際映画祭ではグランプリを受賞し、その他の映画祭でも高く評価されたようで、日本国内でも高評価な感想は多く見られる。
が、個人的にはラストも何だか全くスッキリしない中途半端さが拍子抜けで、良いところを持っていながらもB級映画感が否めなかった。

映画チラシ たかが世界の終わり ギャスパー・ウリエル

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