どちらかというと、B級映画に属するんじゃないか? と思われるのに、何故か話題を呼んだ不思議な作品。それが「パラノーマル・アクティビティ」
いかにも「ホームビデオで撮りました~」という映像で、画質も悪いし、狙ったとも思えないほど手ぶれしまくりで、映す場面やカメラワークのテクニックも一見感じられない。
舞台もほぼ家の中だけで完結しており、これといった特殊メイクや服装もなく、こりゃ金はかかってないだろうと(笑
スプラッタではなく、普通のオカルトやホラーともちと違う。凝ったスリルの演出や、ミステリーというほどのものもなく、そもそも恐怖の源に実体がないというのに何故か怖い。
おそらくこの映画は好き嫌いが結構分かれるのではないか?と思うのだが、、、私は好きです(^^)
設定としては、幼少の頃より不可思議な現象におびえ、悩まされ続けてきた女性と、同棲中の彼氏。
頻発する怪異現象の謎を解こうと、普段の生活から寝てる間までビデオで記録しておこうとしたところからすべてははじまる。。。
最初の方は、普段の日常生活をだらだらと撮り続けるものが続いて、夜もそれほどたいした出来事も無い為、ちょっと間延びした感じ。
愛する彼女の為、、と言いつつもどうも好奇心と興味本位な面が強く出て、その偏執的なまでの記録ぶりに、だんだんうんざりして、なんだか見ていていらいらと腹立たしくも思えて来る。
あ~~~うぜえっ! いい加減そんなとこまで撮るな~~! そんなにカメラが大事かよっ!
と妙に彼女の方に感情移入してきてしまうのだ(笑
まぁ、「俺が彼女を守り抜いてみせる!」という姿勢はかわいらしさもあるんですけどさ。。。
彼女のそばにいて、その意地が見え隠れしてるうちはまだそんなに怖くない。これが一人になると妙に怖さが倍増してくるのはなんでしょねぇ。パニック起こしそうな息づかいが聞こえて来そうです。
しかも、日にちが経過して行くごとにその現象はますます奇怪さを増してはっきりとわかるようになって行き、寝てる間に起こる出来事にかなりどきどきする。後半なぞは、ぞわぁ~~っと産毛が逆立つ。
精神的にもどんどん追い込まれて行くふたりの日常生活の場面にも変化が現れて来ます。
特に派手な仕掛けや「ジャジャーーン!」みたいな演出はないのだけれど、淡々と流れて行く展開の中で、この静と動の兼ね合いが微妙で、妄想をそそる恐怖感がある。
ああ、これって、遊園地とかである「音だけで聞くお化け屋敷」に近い物があるかもしれない!
あれもただ暗いところに座ってヘッドホンから流れる音声に耳をすますだけなのに、やたら怖いんだよねえ。。。闇と静寂ってそれだけで本能的に恐怖を呼び覚ますものらしい。
なんとなく嫌な予感がしてくるところで、衝撃的な結末が!
エンドロールも、チェ・ゲバラの2作目とはまた違った意味で一風変わっています。それは見てのお楽しみってことで。
しかあぁぁ~~~し!
この無音と静寂との間合いが命のような映画だというのに、すぐ脇に、友達同士で来てた子らがいたのだが「なになに」「今の怖いよね」「ありえな~~い」「え~そうなっちゃうのぉ?」
などなど、ずーーっと感想をささやき声でしゃべりまくっていたので、非常に気に障ってしょうがなかった(ーー;)静かな劇場内ってささやき声が逆にとっても目立つんですよ。
そういうのは家でDVDでも見ながらやって欲しいですなあ。。。。