楽天家のヤバい知人に、運び屋の仕事を強制されたことから、台湾マフィアの大きな陰謀に巻き込まれる。
それまでは通常より勘が良い感じの普通の若い女性だったようだが、かなり強力な新薬物を海外へ運び出すために体内に埋め込まれ、不幸な事故によりそれが体内破裂してどういう体質の合致か奇跡的に吸収してしまった。
その作用として恐るべき勢いで細胞増殖してゆき、脳の覚醒度合いも人間離れしていく。
人間の脳は通常10%しか使えてないそうだが、イルカは20%使っているそうだ。
もしそれ以上使えるようになったらどうなってしまうのか?
モーガン・フリーマン演じる脳科学研究者がそれらの脳のメカニズムを解明しようと力を注ぐ。
時間の経過と共に進行していく脳の新しい分野の覚醒。
本来思い出すこともない深層心理の奥底から、自分がこの世に誕生した瞬間からの記憶。
自分だけではない他人の記憶まで共有し、ついには電波やコンピューターの演算内容が可視化できてしまい、あらゆる情報が一気になだれ込んでくる。
認知能力のせいか肉体的にも五感的にも人間のリミッターを超え、超能力、超人という言葉さえ飛び越えてどこへ向かってしまうのか?
一方、その脳の活性化と共に人間らしい感情は次々と剥げ落ちていく。
恐怖、悲しみ、労り、怒り、痛み、憎しみ、思いやりや死という概念までが無意味でどうでもよいもののように。。。。情けも容赦もないのが機械じみていて怖い。
とにかくみせ方が非常に上手く、スピードと緊張感が畳み掛けるように積み重なり、飽きさせない。
アメコミっぽいヒーローものとは一線を画したストーリー展開だ。
内容はかなり現実離れしており、SFともホラーともマフィア抗争とも異世界ものともつかないカオスぶりで、一歩間違えば恐ろしく陳腐でくだらないジョークにでもなりえそうなのだが、そこをきちっと纏めあげているとこがさすがリュック・ベッソンの力量。
人類の起源、生命の起源、宇宙の起源など壮大なテーマを取り込み、叡智を求め続けた先にあるものは、多分人間や生命を超えた存在。
奇想天外で多分現実的にはそうはならないだろうなとは思えども、ぶっちゃけ期待を遥かに超えてかなり面白かった。個人的には好きです。