コナミの同名のゲームを原作に作られた映画。
悪夢にうなされ、夢遊病のごとく徘徊する娘シャロン。
彼女は意識のないうちに「サイレントヒルに帰る」と繰り返し、また記憶のないままに不気味な絵を何枚も書き付けていた。
精神病として薬物投与の治療をさせようとする夫に対し、母親は娘のうわごとのように繰り返す街が実在することをつきとめ、廃墟と化したサイレントヒルに行ってみれば何か掴めるのではないかと思い、ある日娘を連れて来るまで出かけた。
しかし途中で怪しく付きまとうバイクポリスに追いかけられて、サイレントヒルに入ったところで事故を起こして意識を失った。
気がつけば娘は消えており、街には灰が降り注いでいた。
人の形をした異生物、磔の男、この街は一体なんなんだろう。
30年前の坑道火災により多数の死傷者を出してゴーストタウン化したそうだが、そこにいるのはもはや人間とはいえない。
街に踏み込んだ妻と娘を追って探す夫、消息を絶ったベネット巡査を探し、同じくサイレントヒルに踏み込んだ警官。
同じ場所にいるはずなのに巡り合うことができない空間の歪み。
すべてはサイレントヒルの過去、怪しい宗教集団によって操られた人々と、生贄にされた少女の悲惨な運命が隠されていた。。。。
ホラーというほどホラーではない。
なんともミステリアスな雰囲気の中世の魔女裁判みたいな感じでしょうか。
ただ逃げ回るパニックでも、ゾンビに食い殺されるグロイものとも違う。
人間の心の暗部におぞましく沈殿している「秘密」に焦点をおいたような。
結局はモンスターよりも人間の心が怖い。
最後の方の、包帯ぐるぐるナースの動きは好きですw
映像的には結構おもしろいですよ。
正直見終わって、「ああ、納得。すっきり!」という話ではありません。
むしろ「結局あれはなんだったの?」「どうしてああなっちゃったの?」という謎ばかり残る。
怖さはそれほどありません。集団心理のサイコ的な怖さはあるけれど、全体的に悲鳴を上げておびえるような感じではなく、暗く、静かに、異様な雰囲気に気圧されるくらいかな。
まあゲームをやったことない人間でも秋の夜長に楽しめる映画ではないかな。