雪深く貧しい寒村。
そこでは70歳になったら祝いの儀式を行って、山奥に連れていかれ、置き去りにされる風習が残っていた。
めでたいことだと送り出されるが、事実上の姥捨山である。
そこで死んだら極楽往生できると言い伝えられているが、身を粉にして一生家族や村のために体に鞭打って働き通した挙句、棄てられるものの気持ちはいかなものであろうか。
極寒の冬山で生き抜いた1人の老女が、暗い復讐心を抱えながら次々に捨てられてくる「老女」を拾い集めて隠れ里を作った、、、
助けるのが女だけというのがポイント。
何故なら村は男社会で女子は軽く見られ虐げられたり暴力を振るわれても耐え忍ぶだけだったから。
とにかくこのお婆達がめっちゃ元気で逞しいのだ(笑)
もちろん動けないのや惚けちゃってるらしいのも居るけれど、動けるのは足腰丈夫で走り回ったり踊ったり、かなりしっかりしていて気迫も充分。
結構走り回れるスタミナもある。
しかも最年少70歳にしては、ビジュアル的にもかなり違和感があるのだ。
特殊メイクで無理に老けさせてるのが隠しきれないのと、もうひとつ、山姥のビジュアルを参考にしたのかみんな髪の毛がやたらフサフサなのだな。
実際年取ると女性でも薄くなる方が多いやん?
あと、妙に歯並びが綺麗なのも( ̄▽ ̄;)
ストーリー的にはなんだか共感はしきれない歪んだとこもあるのだが、村を出ることで初めて自由に伸び伸びと生きられた女達と自然の厳しさ容赦なさなどを描きたかったのかな?
あれだけ信心深く極楽浄土を思うなら、復讐心に燃える度に多数の仲間が誰でもない自然によって命を奪われたりしたら、「これは天罰じゃ」「天がやめろと押しとどめてるに違いない」とかは思わないのだろうか、、、
最後は本当に何をしたいのか、どういう目的や方法など考えているのかさっぱり分からなくて???だったんだけど「ええー!けっきょくそういうことだったのかよ!!」となる。
村の風習や陰険なしつけなど納得いかない人生だったにせよ、自分が生み育てた子供や幼い孫の命までどうでも良いと思うようになるんですかね?
元は次の世代が生き延びるためとしぶしぶとはいえ受け入れていた気持ちはどこに行ったんでしょうね?それはそれでまた怖いわぁ。
深い雪国という舞台設定も、古い因習に縛られた隔絶された村という設定も、それぞれ個性あるキャラ設定も、かなりの豪華キャストも、面白くなりそうな要素しかないはずなんですが、、、
結局何を伝えたい映画だったのかがイマイチ分からなかった。
ちなみに「デンデラ」とこのコミュニティを名付けたのにはきっと意味があるはずだと後から調べましたよ(作中でもうちょい触れて欲しかった)
遠野で「姥捨」または「死者の霊の行く処」を意味するのだそうで(デンデラ野)、あれは岩手の遠野だったのかと。
題材もよく、初期設定もそそられ、導入はこれからどうなってしまうのか非常に興味深く引き込まれただけに、高齢者のサバイバルアクションというゲテモノB級映画みたいになってしまいちと残念。