ノスタルジア

タルコフスキー作品の中でも特に映像の美しさの評判が高かったので、以前から気になっていた。
こういうのはアマゾン プライムでにはないのでDVDで購入。

最初にエンドロールっぽく流れるんだ|ﾟДﾟ)))
モノクロかなぁと思わせておいて、始まるとカラー
と、思ったらモノクロ？
と入り混じるのだが、どうも記憶やイメージの世界と今この現実の時間との描きわけらしいと薄々感じてくる。

最初はモノクロの方が情緒が深く美しいものだと思っていたが、色味を抑えたカラー部分の強烈な光と影のコントラストも印象的だった。
カラーなのに何故かモノクロの雰囲気を持っている。
陰影のあまりの深さがほぼ２色のように錯覚させるんだろうね 。

。。。。。。。いや、それだけじゃなく、敢えてかなり彩度も落としているよね。

ストーリー自体は非常に淡々としていて、セリフのやりとりもあまり分かり易い内容ではない。
全くの事前知識なしの状態で見ると、登場人物の関係や旅の目的が良く分からない。とにかく人の顔のアップが多い。
(これは！と思い途中でちょいとググってしまったよ)
人によっては前半で飽きてしまうかも、、、

しかしながらタルコフスキーの作品って、台詞が無い部分が一番美しい。（ヴィム・ヴェンダースもだけど）
その中でも情景主体、引いた場面で人間も情景の一部になってるようなカットが際立って美しいと思う。
さらにいうなら廃墟をこれほど美しく見せる人が他にいるだろうか？

BGMはほとんどない（第九が要所で響きわたるが）。そのかわり環境音的なものがクローズアップされていて、水の音や水滴の落ちる音、雨だれや、人のざわめき、建物内に流れるお経？機械的な音などが心地よい。
（霧に関してはストーカーの方が印象的だ）

祖国に帰りたいと口にしていたが、映像を見て感じるのは幼少期と思しきイメージばかり。
本当に帰りたいのは「あの頃」なんだろな。
どちらかというと精神世界を描いた作品かな。

論理的にストーリーが掴みやすく感情移しやすい作品が好きな人には向かない退屈な映画かもしれないけど、私はタルコフスキー好きだな。
ただこの作品が一番好きかと言われるとどうかな？まだ見てないのもあるし、ソラリスももう一度見たい。