ヒューゴの不思議な発明

BiographicalHuman Drama
ヒューゴの不思議な発明 [DVD]

題名に引っ張られると、かなり違和感を覚える映画の一つだが、『ユゴーの不思議な発明』という小説が原作らしいのでしょうがない。(原作では本当は発明をするというストーリーが織り込まれてるらしいが映画では抜けてる)

あの映画『月世界旅行』を作ったジョルジュ・メリエスのへのオマージュのような作品という話を耳にして 興味を持ち、セールになった時にDVD購入した。

正直なところ、良い方向に期待を裏切って個人的にはかなり好きな映画になった。
(実はもっと子供向けだろうとあまり期待してなかったの。。)

と、いうのも、多分ある程度の予備知識がある人と、普通のファンタジードラマとして見る人とではかなり印象が違う作品になると思う。
モノクロ、サイレンスなどの創成期の映画も好きな人もグッとくると思う。

なんといってもこの作品、オマージュどころではない。
ある意味ジョルジュ・メリエスの伝記的作品になってるのだ!

月世界旅行&メリエスの素晴らしき映画魔術
どこで見たのかは定かではないが、子供の頃からなぜか見知っていた、「月の目玉にささった砲弾の絵」。昔はこのささっているのは...

まさに『メリエスの素晴らしき映画魔術』のドキュメンタリーで出てきたあのスタジオも再現されるし、マジックショー的な貴重なモノクロ映像も映し出されるし、なんと!カラー着色版の『月世界旅行』まで一部見られるのだ。
他にもリュミエール兄弟による「ラ・シオタ駅への列車の到着」やチャップリンなど古き良き映像が蘇る。
こりゃもうワクワクドキドキです。

さらに私の好き心をくすぐる「オートマタ」。ゼンマイ仕掛けのからくり機械人形ですよ。
実際にメリエスは機械人形を制作していたらしい。

日本でも西村真琴さんが空気圧を利用した「學天則」というロボットを作って話題になったけど、ヒューゴのはゼンマイと歯車を組み合わせたもので下半身まで美しく仕上げられている。

さらに、少年の住む駅構内の時計台の中。
大小様々の歯車に囲まれたスチームパンクチックな部屋。これもかなりツボ。

全体の雰囲気を通して映像的にも美しくかなり好みだし、それぞれのキャラクターも立っていて、ささやかな情景の一つ一つが暖かい。

最愛の父親を失って孤児となり、引き取った時計のネジまき係の男も行方不明。
住む家も食べ物も金もなく、周辺でくすねて生きてくしかない惨めな生活。
捕まれば少年院のような孤児院に押し込まれる恐怖に追い立てられながらも夢を抱き続け、運命の出会いに巻き込まれるというストーリーも良い。

鉄道公安官さん、どこかで見たような。。。と思ったら、アリスの2作目のタイムか!
これが天敵で一番怖いんだけど、戦争で片足を失いつつも職務を生き甲斐にし、ささやかな恋心を持て余す可愛いところもあって憎みきれない。

全体的にどこかほっこりする映画なんだよねえ。ラストもどんでん返しやオチといったものではないが、めでたしめでたしとほっこりする。

役者としては出てないんだけど、ジョニー・デップも制作に関わっています。

ジョルジュ・メリエスを知らなかった人も是非この機会にその作品を見て欲しいな。
ヒューゴの面白さが変わるはず。

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