うかうかしていたら、10月12日でもう終わりじゃないか!
というわけで、慌てて上野の国立科学博物館に見に行ってきました「特別展 インカ帝国のルーツ 黄金の都シカン」。
この後は熊本県立美術館、富山県民会館、高知県立美術館、福岡市博物館とまわっていくようですね。
「シカン」という名前はあまりなじみがないかもしれませんが、「インカ」と聞けば知っている人も多いのではないでしょうか。
そう、あのインカ文明の「以前」に存在した、南米ペルー付近の古代文明なのです。当然インカ文明にも多大な影響を与えているものと思われます。
しかも、この発掘調査を手がけたのがなんと日本人の考古学者である島田泉教授という人なのです!
そのせいもあって、発掘現場や実際に出土した時の状態などの細かい記録が多数映像で公開されていて、考古学の活動を興味深く見ることができました。
今回は残念ながら、場内撮影禁止でしたので感想のみになりますが。。。
シカン文化が栄えたのは、日本で言うと平安から鎌倉時代。
日本も「黄金の国ジパング」などと言われた時期もありましたが、こちらは本当の贅沢な黄金文化。
仮面や装飾や服まで、現在では考えられないほどの純度の高い金を、これでもかというくらいふんだんに使ってます!
金属を薄く伸ばして加工する技術も高いものを持っていた様子。
しかも、そこには本来ないはずのものも残っていて、交易も盛んに行われていた地であることも示唆しています。
宗教色の強い文化で、食器や装飾や死者の埋葬に関するものまで、あらゆるところに「シカン神」の顔が彫りつけてありました。
「ロロ神殿」という大きなピラミッドの周辺を、もう30年も掘り続けた成果ということですが、周囲にはたくさんの高貴な人物の墓がほんとにたくさんあります。
しかも、そのひとつひとつが非常に複雑な構造になっていて、2層3層と地下に逆ピラピッドが形成されているかのよう。
殉死というか、神への捧げものなのでしょうか? 墓ごとの内部には、女性や子どもも数多く一緒に埋葬されています。高貴な人が一人亡くなるたびに多くの犠牲も出たのですね。(ー人ー)
中には座った姿勢で逆さに埋葬されているものもあり、その場合は首だけが切り離されて逆向きにおいてあったりするのも怖いのだけど、どんな意味があったのだろうか?と謎は深まります。
現在の進んだ技術により、歯形からもとの顔を復元できたり、また血のつながり等も解明できてしまうのはすごい。
対面した位置にあった2つの墓の主が叔父と甥であったということなども判明しています。つまり支配階級の一族だったんでしょうかね?
まだまだ解明されていないことも多いのですが、こうした滅び去った高い文明を覗き見ることができるのは楽しいですね。
最後には立体メガネで見る3Dの発掘現場の映像などもありました。2Dの映像を立体化させる技術の方に興味をもってしまいましたよ(^^;)
ちょっと遅めの時間に行ったので、常設展の方を見る時間がほとんどなくなってしまったのですが、初めて見て非常におもしろかったのが「シアター36○」(常設展の料金だけで入れます)
これは行ったら是非見てもらいたいものです。むっちゃおもしろかった!
まるい大きな球体の中に入ると、360度すべてスクリーンとなっています。
中央の橋部分から見るのですが、上下左右とあらゆるところに繰り広げられる映像は迫力満点で圧巻。
2部構成で全8分と短いのですが、現在は恐竜の世界と地球内部のマントルということで、その動きを追っかけて、あっちみたりこっちみたりとぐるぐる首をまわしてしまいました(笑)
まだまだ見るとこいっぱいあるぞ。科学博物館は大人も子どももおもしろい。