一乗谷を出て永平寺についたころにはもう昼過ぎ。参道は有料駐車場へ誘導しようとするおばちゃん達の闘志激しくまさにThe観光地といった風情。
すぐ近くだと意外と食べるとこが少ないので、こだわる人は調べて途中で食べていった方がよいかも。
「大本山永平寺」。道元禅師によって開かれた禅宗の一派、神奈川の鶴見にある總持寺と並ぶ曹洞宗の大本山です。
時間は決まってますが座禅体験などもできます。
建物への入り口よりも奥にあるため見過ごされがちですが、一般人が通ることは許されぬ苔むした階段の「唐門」が静かに立っています。
とにかく広く、大本山であるため、全国各地から雲水と呼ばれる禅宗の修行僧がたくさん集まってくる。
なんで大本山が福井と神奈川に分かれているの?と疑問に思ったのだけど、總持寺の方も元々横浜じゃなくて石川県輪島市の方にあったのが明治の焼失後に移転したらしい。
道元禅師という人物は、比叡山で天台宗の修行をして後に建仁寺で臨済宗(禅宗)に師事し、その後は中国(南宋)にまでわたって現地で禅宗の修行を積んできたそうです。
違う宗派で考え方や理解の相違もあったでしょう、比叡山との雲行きが怪しくなってきたところへ、信徒でもあった越前国(つまり福井県)の地頭であった波多野義重が招き、前身も経て永平寺が完成!
禅寺といえば質素で簡素なイメージがあるが、いきなりきらびやかな「傘松閣」。
僧たちの修行場ではなく、参拝者などの控え室のようなものらしい。
昭和の一流日本画家144名による230枚の天井絵ということで結構新しい。
天気が悪い日でも安心なことに、ここ永平寺は数多くの諸堂や七堂伽藍がすべて回廊でつながってます。
なので雨に濡れることもなく屋内移動だけでほぼすんでしまうんです。
山に沿って立っているので傾斜はそれなりにあります。中庭を囲んでぐるりとまわれるようになってますね。
雨の平日で人は少ない方だったとは思いますが、ちょいちょいすれ違ったので修行してる雲水もそれなりの数いたと思います。でも概ね静かでした。
福井を代表する大寺院ですからまずは来てみたかったところです。
そして宿にチェックインする前に行っておきたかったのが「平泉寺白山神社」。。。。。。なんですが、生憎滝のような土砂降りと風で駐車場までついたけど降りられない状況。傘さして散策。。なんて生易しいもんじゃなかったのであきらめて翌日にしました。
最終日、恐竜博物館を堪能して新幹線に乗るまでの間に再度向かいました。
ここは境内に広がる見事な苔がとても美しい苔寺として、全国的には知名度低いかもしれないけど写真をぱっとみて行きたいなと。
鎌倉でも妙法寺とか竹寺でもある報国寺とかの雰囲気が好きで、家を建てたときに苔を広く植えてもらったんですが、環境が合わなかったようで全滅(ーー;)意外と難しいもんです。
お気づきでしょうか、平泉「寺」白山「神社」と寺社両方名前に入ってます。
神仏混淆(習合)で仏教の神様や神社の神様が混ざり同一視され、寺の中に神社があったりその逆もありが普通に受け入れられていた時代がありましたが、明治政府による神仏分離令でどちらかに分けられてしまいました。
でもその名残があるところは結構あったりしますのでその辺気を付けてみてみるのもおもしろい。
で、こちらはもとは平安時代以前という歴史ある創建で、天台宗のかなりの規模を誇った白山平泉寺というお寺でした。
普通に考えたらそのまま寺になりそうですが、神仏分離令の時になぜか寺号を廃止し、白山神社となりました。
つまり現在は「神社」なのです。
一向一揆で全山焼失して以来、所領の相次ぐ縮小を余儀なくされたこともあるようですが、白山開山のきっかけが、泰澄大師が白山大神(女神)に導かれて清浄な湧き水の泉である御手洗池にやってきたのが始まりという伝承があるので、原点に立ち返ったということかもしれません。(女神=いざなみのみこと)
ともあれ、永平寺のように観光客が次々おしかけてくるというわけでもなく、ひっそりとしてのんびり散策できる素敵な神社です。
リスのしっぽみたいにふさふさと柔らかそうな苔
切り株や枝なども覆いつくして、人の世の争いなども静かに包み込んで埋もれさせていくような情景には心が落ち着きますね。
木杭の上までびっしりと。
いろいろ種類の違う苔が混在していて、よくみると完成された草原のジオラマみたいでおもしろい。
海外からのお客様の姿もちらほら。位置的には有名観光地からはずれたちょっとマニアックな場所にあるのだけれど、最近はこういう侘び寂びに心惹かれる海外勢も増えてきましたな。
前日に雨が激しく降ったせいで、苔も生き生きとして美しさが増していたような気がします。
時間があれば、参道のすぐ前に建つ「白山平泉寺歴史探遊館 まほろば」に立ち寄って勉強してみるといいでしょう。
駐車場は3か所あって、第1駐車場の近くにはおいしいソフトクリーム屋さんもあります。