湯殿山の麓、駐車場のすぐ上で大鳥居の脇という湯殿山参拝にはもっとも近い宿。
参籠所とは、一定の期間籠って神仏にお祈りする施設のことですが、現在ではお参りする寺社の付近にある宿坊といった感じです。
入口が御朱印、お守りなどの社務所のようになっているため宿泊者の受付が分かりにくい。
とりあえずそこで聞いたら受け付けてくれました。(予約済み)
玄関の正面に御神輿が置いてあります。その脇に神殿の間があります。
お部屋は今回10帖和室でした。
かなり古い型ではあるが、一応エアコン付き。
電波はドコモは入ったが、auは全く反応なし。再起動してみても1本どころかキャリアも出てこない。
テレビや冷蔵庫などはない。
廊下にちょっとしたソファスペースがあり、そこに1台テレビが置いてある。
利用する場合は周囲の部屋の迷惑にならぬようボリュームは抑えた方が良いでしょう。
備品は浴衣のみなので、タオルやバスタオル、歯ブラシ、洗顔料、メイク落とし、ドライヤー等その他必要なものは持参のこと。
トイレと洗面は共用で廊下にあり。
トイレは男女別で、古そうな外観にそぐわず最新型のウォシュレットに自動洗浄仕様だった。
この参籠を選んだ大きな目的は「御神湯」。
ここから本宮に登る途中には小さな社寺がたくさんあるんですが、そのうちの「丹生水上神社」に湧く二酸化炭素鉱泉を引いています。(源泉名は湯殿山仙人澤温泉)
しかし、まずは内湯で頭と体を綺麗に洗い流してから行きましょう。
こちらは普通の沸かし風呂ですが、シャンプー、石鹸などを使えるのはここだけ。
リンスインシャンプーとボディソープが設置。
温度調整のできるシャワーもありますが、蛇口とも水圧は非常に弱いです。
イライラするほどチョロチョロでなかなか洗い流せませんが、何せ山の上の一軒家です。出るだけありがたいと思いましょう。
何故か風呂の湯がとても浸かるのが厳しいほどの熱さでしたが、ザザっと最後に洗い流したら「御神湯」へ。
循環ろ過ではなく、かけ流しの加水なしで加温ありの温泉というか冷泉に近い?
狭い脱衣場にあるドア(注連縄が張ってある)を開けたら、目の前にどどんと木の湯船が横たわっていてびっくりしたΣ(゚ω゚ノ)ノ
すぐ右側が祭壇となっており、「丹生都日女神」が御祭神となっていた。
一礼してお邪魔する。(まあ祭壇が洗面器置き場にもなってますがw)
そしてさらに驚いたのが、かなりぬるい。
ヘタすると入ってると吹き出し口があるっぽい下方から冷えてくるという、、風呂入ったら腹が冷たくなったのは水風呂以外初めてかも。
なので、上部にある加熱した吹き出し口のそばに肩まで浸かってたら寝落ちしそうになった。
でも薄濁りのぬる湯が気に入って何回も入りに行った。
ちなみに飲泉可能で風呂前に紙コップの飲泉所がある。
ちょっと酸味のような癖がある強めの炭酸泉だ。おいしくはないのだが、つい風呂行くたびに一杯いただく。
夕食は今夜も精進料理だと思ってたら焼き魚や生魚などが並んでてびっくり。
朝餉。やはりあまり精進料理という感じはしない。なんとなく合宿所に近いような雰囲気。
参篭所内、1Fに神殿があるんですが、なんとお勤めが8:30から。
だいたい宿坊などは早朝の朝餉前に行ってから参拝に向かうわけですが、この時間だと基本的にみなさん出立しちゃった後じゃないですか?
昔はどうやら普通に朝餉前にお勤めがあったようですが、時代の流れでしょうか。強制ではなくなったという感じでしょうか。
参拝前に心を清々しく保ち、そういう領域に来たのだという気分の盛り上がりがあって私は好きなんですが。。。
せっかく湯殿山に一番乗りできる最高の立地に来たのだから、すぐ下の本宮行のバスの始発に乗りたかったので今回お勤めには参加できませんでした。
とてもシンプルな宿ですが、空いていれば静かだし温泉貸切だし、ゆったりと俗世を離れて過ごせるよいところですよ。