東北を去る日も間近になり、温泉巡り最後の記念の宿として選ばれたのがここ「琢秀(たくひで)」さんです。
日本秘湯を守る会ならびに源泉湯宿を守る会に属する、自家源泉4本100%かけ流しの宿という素晴らしい温泉旅館です。
周辺では通称「うなぎ湯」で通ってます。
日帰り入浴や別館宿泊の際などにお邪魔したことはあったけど、お値段も少々高めだし、週末はいつも満室で予約がとれないというちょっと敷居の高いあこがれのお宿のひとつでもあったのですな。
建物自体もしっとり落ち着いたモダンな和風です。入り口には人力車がとめてあります。
嬉しいサービスとして、宿泊者は多数のおしゃれな浴衣から自分の好きなものを選ぶ事ができます。
サイズも大、中、小とそろっていて、入り口の民芸箪笥の中に並べられています。素敵なのがいっぱいであれこれ迷ってしまうけど、今回はこんな感じのを選んでみました。
今回泊まったのが本館1階にあるこのお部屋。お風呂まで近いのがとても嬉しいです。
巨大なホテルとかで風呂いくまでにエレベーターを乗り継いだり、長い廊下を歩き回させられるのは好きじゃない。
温泉目当てなのだから気軽に何回も入りに行けるところがうれしいな。
お部屋には歯ブラシやタオルなど持ち歩きやすいように袋つきでついていて、ゆあがり足袋のおみやつき。
本日も満室で人いっぱいかなぁと思ったが、なんとラッキーなことに各お風呂ひとりじめ時間を持つ事ができました。あぁ。なんて贅沢なひととき。。。
まずは入り口に近い男女別内風呂と、内風呂からつながる混浴露天の「長生の湯」へ。
内湯はしっとりとした木のぬくもりの洗い場。お湯は黄みがかった半透明の緑というまるで入浴剤のような色です。
泉質は「硫黄ーナトリウムー炭酸水素塩・硫酸塩泉(低張性アルカリ性高温泉)」
ということで、慢性皮膚病(アトピーなど)、慢性婦人病、切り傷、やけど、糖尿病などに効くらしい。
これだけ見ると他にもありそうな気もするのですが触感というかお湯の触れた感じが他にはみない特殊さがあります。
とろとろした感じで、お湯の中で肌をなでるとぬるんとする。なんというかゼリー状の物体に囲まれているような不思議さ。お湯自体が美容液みたいでなんかお肌に優しい気がします。中山平以外ではこんな温泉に会ったことがありません。
で、内湯から出られる混浴露天に出るチャンスを伺っていたのですが男性客も結構居るようでなかなか近寄れない。乳白色の不透明とかならいいけれど、半透明だし真っ昼間だしねぇ。
と、どこからどうまわってきたのか露天の方からひとりの女性が来たのでさっそくつかまえて状況を聞いてみると
「今なら誰もいないよ」
とのことでチャーーンス!とだだだっと急いで走り出てみたら。。。おじさんがつかってるやん(::)ほんの数秒の差だったのか…orz。
後ろから一緒に走り出てきたおばちゃんはささっときびすを返して戻ってしまったが、ペラペラのタオル一枚で風呂の際まで走り出てしまった私は返すにもあれなんで、はじっこの岩陰に沿うようにそっと突っ込んでみました。
祝!混浴初体験!!w
とはいえせっかくの青空の下の露天なのに岩陰で小さくまるまってる私に哀れをもよおしたのか、しばらくするとおじさまも退出されました。
いえ~~い!のぉびのぉび露天独りじめッ♪
しばらく休んだ後、館内から少し離れた男女別露天に、ぞうりに履き替えて行きました。実は風情でいったらここが一番だぁ。
実はこれは通常時間女性用になってる方です。男性側はちょっと違うようで、朝の短い時間にいれかわります。
のれんをくぐって、ランプのような明かりのともる屋根の下へ。。ちょいと豪華な気分になれます。
また、館内の温泉のあらゆるところにこういう可愛らしい看板が張ってあります。なんかほのぼの。
夜は館内の2Fにあるもうひとつの内風呂にもいってみました。いっぱい浴場があるからいそがしやぁ〜。
こちらは芍薬の湯という名前がついた大きな岩をくりぬいたようなお風呂。もう一カ所は樽風呂になっているようです。(ここも入れ替えあったかな?)
昼間はやや熱めだけどもちょうどいい温度だったのですが、夜はものすごく熱くなっていました。あまりの熱さに風呂際で裸のまま呆然と立ち尽くす人の姿もありましたw。
お料理も通常メニューだけだったけれどたべきらないほど出て、おいしかったと思います。(うっかり食べちゃって写真とってないけど。。)
夕食の時におかみさんがひとつひとつのテーブルをまわってお客さんに丁寧に挨拶をしてまわってました。
あと、お風呂上がりに自由にのどをうるおせるように、入り口前のカウンターでムギチャや冷たいお水が自由に飲めるようになっています。朝にはここでコーヒーもだしてくれます。
ちょっと宿を出る支払いの時に眉をひそめるようなことがあって最後に嫌な気分になることもあったけれど、総合的にはとてもいいお宿だと思います。
おみやげで仙台名物でもある小さな「仙台四郎」さんもいただきました。w
さらば東北!
鳴子付近にはこんな感じで橋にも電話ボックスにもこけしがついてたりします。探してみるとおもしろいかも。(こけしマッチとかも売ってます)