万引き家族を思い起こさせるような貧しい大所帯の家族。
彼らは地面が目の高さにある半地下の家に住んでいた。
携帯も止められ、上階の大家さんのWiFiの電波をこっそり盗み使っていたが、ロックをかけられネットにも満足に繋げない。
家族は子供を進学させるお金さえ作れず、安い内職で細々と食いつないでいたが、ひょんなことから友人の紹介である大金持ちの娘の家庭教師を務めることになり、そこから人生が変わっていく。
素朴そうな一家に見えたが、なんのなんの。
学歴はないが、頭の回転は早くはっきり言えばこずるさ爆発。
人を疑うことを知らぬ、素直なお嬢様の奥さんと、超エリート社長の旦那をあらゆる手段で騙して1家丸ごとくい込んでいく様子はサスペンス。まさに寄生(パラサイト)なのだ。
かなりのあくどいことをやっているのだけれど、どこか脳天気なムードで軽い。
ある意味シンデレラストーリーなんだけど、裏の顔を見ているので爽やかに喜べない。
なんとも微妙な気分になる映画だ( ̄▽ ̄;)
当然、めでたしめでたしで収まるような内容では無いので、後半ドタバタのひと悶着起こるわけだが、コメディとホラーが入り交じった妙な雰囲気。
ギリギリのスリラー的な緊張感も漂い、アダルト描写もあり(笑)
この映画の面白さは、先の展開が読みにくいとこだな。
ある程度の流れはみえるんだけど、流れが変わる分岐点で意外な方向に行く。
おそらく日本の映画監督ならそんなふうに展開させないんじゃないかな。
特に怒涛のラストへの流れは強烈ですな。
想像していたような話ではなかったが、これはこれで意外性もあって面白い。
その根底には貧富の格差が生み出す精神性の違いや、追い詰められたものとゆとりのあるものの対比が描かれている。
しかし、家政婦の旦那がお笑いコンビの中川家の礼二さんに妙に似てるのが気になった(笑)