何となくミステリーっぽい話かと思ったら、ホラーに分類されてた(–;)
初っ端からラブクラフト(クトゥルフ神話の元祖)の引用が来たよ。
ある日届いた小包を開けたら、出てきたのは古びたビデオテープであった。。。
そこから兄弟がカルト的な宗教団体のキャンプに昔居て、命の危険を感じ抜け出してきたことが分かる。
しかしどうやら弟の方は洗脳が抜けきらず、今も教団を美化し兄に連れ出されたことに不満を抱いているようだ。
兄はまともに生活しようと努力しているが、他人との接し方がうまくいかず社会に馴染めない。
ぐずる弟のために1度キャンプを訪れることにした兄弟。
一見ダラダラと平和そうに進むので、何がどう伏線になるか予想しづらい。
ただ、貼り付けたような笑顔や、急ぎ足の男、自給自足の健康的な生活、名産品はクラフトビール、歳を取らないような人々、趣味に生きる人々、何かの小難しい方程式、スローモーションのシーン、至る所に現れる「bequiet」のメモなどなんとなく引っかかるところはいくつもある。
そして、なにやら得体の知れない不思議なことが起こり始める。
だんだんここで何が進行してるのか明らかになってきて、終盤バズるのピースがどんどん繋がってくる。
カルト集団というのもちょっと違うし、ホラーというのかなこれ?
幽霊とかスプラッタとかゾンビとかそういう一般的なのとも違う。
オカルト現象ベースのサイコスリラー?
息を飲むような驚きとか、迫り来る恐怖とか、怒涛の展開というわけでもなく地味に静かにモヤモヤーっと謎を含みながらゆるゆると進む。
足掻きと、あきらめと、絶望と、やるせなさと許し。
謎が全てスッキリ解決されるという訳でもなく、納得のいく説明があるわけでもなくふんわりと終わるが、後味は悪くない。
なかなか楽しめました。
ちなみにジャスティン・ベンソン、アーロン・ムーアヘッドの二人が、監督、脚本、撮影から主演までやっちゃってる。