仙台に居た頃から行きたいとは思っていたものの、3.11が起きてしまった。
今でも会場の近くに仮設住宅が並び、市内のあちこちに黒いビニールが山積みされ、浪江からの道沿いには「立ち入り禁止区域」「除染作業中」の看板が見られた。まだ何も終わってはいない。それでも力強く伝統行事は受け継がれていく。
どのくらい混雑するのか、観覧席は立ち見なのか、座れるのか、駐車場までどのくらいの距離で何時ごろに満車になってしまうのか、またそれに伴う渋滞などよく勝手がわからない為、4時起き5時には家を出てきた。
その甲斐あってか向かう途中で朝靄の中、ちょうど集合して出陣する騎馬武者の一軍に遭遇した。ここから主要道を避けて大回りしながら会場まで鎧甲冑姿の騎馬で向かうのか。。。
一応駐車場マップを印刷してきたので、7時頃会場にもっとも近いと見える企業の駐車場にIN。
係員もなくほぼ一番乗りだったようだ。早すぎたか?(--;)
そこから会場まで2kmほどあったので歩いて向かった。(早朝のためか送迎バスらしきものもなかったので)
家を出るときはよく晴れて気持ち良い天気になりそうだと思っていたが、雲行きがあやしくなり、小雨がぱらぱら降り始める。
当日一般観覧席は、多分地元の方が早朝か昨晩から場所取りしていたであろうビニールシートも結構あったが、人影は少なくまだまだ場所を選ぶことができる状態。
観覧席はゆるめの段差で土を固めたやや傾いた階段になっていて、土がむき出しの為、敷物がないとドロドロになりそうだ。
レジャーシート持参必須の模様(持ってなかったので周辺で買った)。
8時ころから結構雨脚が強くなり座ったまま傘差して縮まっていたが、傘からはみだしたお尻の方のシートやひざや靴がびしょびしょ。
テンションはどんどん下がり、もしかして中止になったりするんじゃないかと不安になってきた。場所取りしてた目の前の人は撤退してました。。。
時折あがったり、小降りになったりの繰り返しの中なんとか開始の合図があがった。
席はずしたらその間にレジャーシートびちょびちょになるから動くか躊躇したけど、騎馬武者のお行列が出発してだんだん近づいてきたという放送につられて、会場近くの道路まで見に行った。
馬って結構大きいから、間近でしかも傘の波に埋もれた方が見にくそうだと判断し、数メートル下がってちょっと高くなった沿道石の上からみてたのだが、やはり傘の群れで遮られて、よく見えなかった。
だいたいお行列が通り過ぎたところで会場に戻ると、すでに行列の前の方の部隊は会場入りしてた。
う~~ん凛々しいねえ~。「天と地と」を思い出した。
観覧席の中央付近に「羊腸の坂」と呼ばれるうねうねと曲がりくねった山上に続く急坂があるんだけど、山の頂上が本陣という設定らしく、到着した部隊が次々に上っていく。
。。のだが、一番先頭になった馬っこがきかん気で暴れ、手綱を引いていたじいやを弾き飛ばすというアクシデントも。
何とか宥めすかしてのぼりはじめ、後続の部隊も続く。
お行列よりこの柵脇のほうがよく見れたわ。。
気性激な感じのお馬さんが他にもちらほら。
兜の前立てのデザインや旗指物もそれぞれ趣向を凝らしていて見比べるのも楽しい。
ちなみにこの「羊腸の坂」はこの後、各種競技がひとつ終わるごとに本陣にご報告及び恩賞ということで、勝者が騎馬で頂上まで駆け上がっていきます。
昼からは甲冑競馬。
甲冑姿の武者の騎馬が1周1000mの祭場地を橋って競う。まさに競馬そのものなのだがゲートがない。
そのため、ある程度出走開始地点で息を合わせてスタートするのだが、いきり立つ馬を抑えきれぬフライングもよくある。出走前落馬もある。
なかには半周ぐらいそのまま突っ走って行ってしまい戻らず、その組の出走から外れてしまったこともあるw
現代と違うのは、旗指し物を背に差したまま走るので、非常にやっかいそうだ。
途中で旗がすっ飛んでしまったり、折れてしまったりというアクシデントもあり。途中落馬して馬だけがゴールしてゆくのも何回見たことか(^^;)
こうしたハプニングもまた楽しく会場が湧く。
13:00~神旗争奪戦
昔あった落下傘花火のような感じで、打ち上げられた玉が破裂すると中から細長い御神旗がゆっくりと落ちてくる。
御神旗は、相馬中村神社が青、相馬太田神社が赤、相馬小高神社が黄色と決まっていて、なんとか落下地点に潜り込んでの争奪戦となる。
空中キャッチできればまだ良いが、下に落ちた場合の奪い合いはなかなか激しいものがある。
ずっと空を見上げた状態のまま、しかも馬に乗って突進してゆくので
当然接触事故も起こり、衝突による落馬も起こる
そのまま馬がどっか走っていっちゃったぞ~~とかw
もはや大混戦の様相を呈してくるのであります。
地元に居た頃は、鎌倉の鶴岡八幡宮で行われる「流鏑馬」を見にいってたんですが、いやあ、こりゃ規模がまた全然違うわ!(@@)
ところで、ずっと「相馬の 馬追(そうま・の・うまおい)」だと思っていたんだけど、「相馬 野馬追(そうま・のまおい)」だったんですねえ(^^;)
相馬家の始祖といわれる平将門が、軍事訓練として敵に見立てた野生の馬を追ったのが始まりと言われ、独自の軍事訓練が禁止された時代になっても「神事」という名目で続けられたという。
相馬中村神社、相馬太田神社、相馬小高神社の三つの神社の御祭で、神社ごとが1つの軍となって他の神社と競う形式。
お行列、甲冑競馬、神旗争奪戦などが神事として行われる。国の重要無形民俗文化財に指定されている。
出陣式、古式の宵乗り競馬などがある宵祭り、本祭りの次の日にある、裸馬を騎馬武者が追い込む野馬懸なども興味あるのだが、とりあえず今回は日帰りで本祭りに絞りました。
これはおもしろい。来年もぜひいきたいな。
注意点としては、原発事故の影響だろうか。食堂やレストランなど食事をするところがほぼない(あっても開店していない)ということだ。
とりあえず行列する街道沿いにコンビニはあるし、焼きそばやトウモロコシの屋台などはあった。
これは今後変わってくるかもしれないが、現時点では場所取りしといてどっかでお茶したり、食べに行こうは期待しない方が良い。