出羽紀行:湯殿山付近の即身仏たち

02 東北国内山形県

今回の旅の目的は出羽三山!
羽黒山は何度か立ち寄ってるが、湯殿山に訪れたのは20数年前、月山に至っては7〜10月という限られた期間しか登れないこともあって、今まで行かれなかったので初挑戦したいなと。

羽黒山は現在、月山は過去、湯殿山は未来を表し、この三山を順に巡ることで「生まれ変わり」を体験することとなる修験道を中心とした山岳信仰のお山です。

1日目はとにかく山形の鶴岡付近に到着するまでに車で結構遠いので、湯殿山近辺の即身仏の鎮座する代表的なお寺をめぐる。

まずは湯殿山総本寺瀧水寺大日坊。
湯殿山と同じく弘法大師・空海により開かれ、女人禁制の湯殿山に女性でも礼拝できるように湯殿山大権現を迎えたのがはじまりとか。

徳川家三代将軍の座をめぐってのお家騒動時、後の春日の局が訪れて祈願をし、徳川家光が将軍の座についたという話が伝わってます。
その後も信仰に篤く、堂宇の再建や大日如来を奉納するなど関係は深かったようです。
また、檀家が存在しないので、葬式もない。

今回は鎌倉時代に創建されたという仁王門より参拝。
内側には運慶作と言われるどっしりした仁王像が安置されているのですが、個人的には外側にいらっしゃった風神、雷神像の方が味があって惹かれました。

どこか天狗っぽいお顔が修験道の聖地らしいですね(^^)

堂内は撮影禁止です。まずは本堂でお祓いを受けます。
そしてお寺の歩んできた歴史の変遷や出羽三山の様々な事情、特に明治の廃仏毀釈の時に政府におもねることをしなかったせいで土地を没収されて、こじんまりと別地に移転せざるを得なかったのは今でも憤慨の的のようです。

本堂内も様々な仏像や宝物など見応えがあるのですが、奥座敷に即身仏となられた真如海上人が座しておられます。
ミイラと言ってはいけません。ミイラ=死体に防腐処理を施したもの。即身仏=修行により生きたまま朽ち果てない身体になったもので死体ではないという考えです。
ここでも上人の行いやご利益など熱い口舌で細かい説明があり、出口までも長い廊下に数多くの仏様が並んでいるので参拝に1時間近くは必要です。

こちらでは御朱印をいただき、上人の衣替え時の布入り「即身仏御衣入御守」が一押しのようでしたが、今年は土産などでもいろいろなお守りもいただいて持ち歩ききれないので。。(ーー;)
「御滝大聖不動明王」の色紙を、それと気分をあげるために「同行二人」が記された巡礼用のさんや袋。

次に向かったのが湯殿山注連寺。
やはり弘法大師・空海により開かれたお寺で、出羽三山の参道のうち七五三掛口にあたる。結界の入口としての役割も担ってました。
修験者はここでお祓いを受けた七五三縄を首に下げて参拝に出発したという。

本堂入口の木彫りの龍や狛犬などが重量感があって良い。
読んだことはないが、森敦がここに滞在して、後年「月山」という小説を書いて70回芥川賞を受賞したそうな。映画化もされている。

本堂内は撮影禁止。
こちらにも恵眼院鉄門海上人という即身仏が居られます。
先ほど大日坊で「黒光りしているのは即身仏ではなくミイラ」という説明を受けたのですが、こちらも本来は色の薄いちゃんとした即身仏であったが、より長く保存状態を保つために後世に漆を塗ってしまったので黒くみえるということです。
東北地方をかなり幅広く布教活動でまわったようで、各地に鉄門上人の名が刻まれた石碑が各地にあるそうな。

また、こちらは天井画が有名ということで、堂宇の各部屋ごとに違う画が、あるものはダイナミックに大きく、あるものは格天井一枚ずつ異なっていたりと伝統的なものから現代的なものまで数多くあります。

こちらでは御朱印とともに翌日からの参拝にぴったりな七五三縄をいただいてきました。
一番安いのは紙のこよりのようなのもあるんですが、リュック背負って登山することも考えると丈夫そうな縄ものを。
参拝終わっても魔除けとして家に飾っておいても良いというので。

このあとは本日の宿坊に向かいますが、途中で月山湖にも立ち寄りダムカードをもらう。

時間に余裕があればこちらは予約なしでダムツアーできるようです。
あいにく台風や大雨の影響で湖面は濁りまくってあまり綺麗じゃなかったんですが、ここの大噴水は有名なようですね。

水量は流石にすごかった。

明日に備えて早めに宿で休みましょう。

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