カリガリ博士

Silent Film

1920年に制作されたドイツのサイレント映画。淀川長治さん解説付きのものを観ました。
学生の頃に見た記憶があるんだけど、詳しいことをちょっと忘れていたのでいつかじっくり見直したいと思っていた1本です。

古いモノクロなので、画質はかなり悪いし、コントラストが異様に高いので見づらいとこはあるのだけれど、その独特な世界は際立っている。
他にもモノクロサイレントはいくつか見たけれど、この映画は写実性からかけ離れた、映画というよりむしろ舞台演劇をピンホールから覗いてる感じ。

とにかくセットがね、いかにも作り物の世界なわけですよ。
街の建物も、窓も、室内の壁も家具もぐにゃぐにゃと不安定にゆがんでいる。三角に近いものが多かった気がする。
背景の小山のようなものも何やら上でぎざぎざに切ったものが貼り付けてあるような感じだし、ステージ上の大道具にしか見えない。

もちろんサイレントだから、役者たちは口パクパクさせてるけどセリフや字幕があるわけではなし、時々一部だけ、黒バックに白文字の文が挿入される。
あとは役者たちの動きや話の流れからおおよその展開をつかんでいく。
演技もかなりおおぶりなので、余計に舞台感がでている。どこかシュールで前衛芸術的な舞台。
コマ送りが滑らかではないので、画面に1秒前までなかったものが突如でてきたり、ポーズが急激に変わってたりするのもおもしろい。

ただ「ホラー映画」と言われると、ん???
当時の規制もあったのでしょうが、あまりえげつない場面はなく、恐怖や嫌悪はあまり感じさせずスマート。
ん〜〜〜、おわりかたをみるとどっちかといえばサスペンス?

話の流れ的には非常にわかりやすくシンプルなのだが、夢遊病患者のチェザーレが妙に色気がありましたな。
あとは「メトロポリス」も見たいな〜〜。

カリガリ博士【淀川長治解説映像付き】 [DVD]

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