バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

Comedy

知人からおすすめのあった「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」なんとか時間を作ってみてきました。
アカデミー賞4部門受賞というのもあって期待度は高かった。

が、あらすじから私が想像してたものとはだいぶイメージが血がていたので正直戸惑った(^^;)
なんとなく、もっと葛藤と絶望の淵であがく、人物の深層に迫ったヒューマンドラマのようなものだと思っていたんですよね。

まあそれもあるのでしょうが、どちらかというと、ハリウッド的なコメディ色が濃いように感じられました。
主人公がパンツ一丁で往来を走り回る場面は、悲壮感と恥辱の哀愁がただよいまくって切なくなる。

映像的には確かに大胆なアングルが多く見られましたね。娘のアップはなかなか強烈でした。
音楽はほぼドラムのみというのも斬新かも。
演劇界の舞台裏という点は非常に興味深かったのですが、もう一歩踏み込みが欲しかったかな。
批評家の演劇の世界をなめるな!と、色眼鏡で批判するだけで何も失うものはないずるいやつめ!の言い合いは良かった。

しかし、薬物中毒だった娘や人知れぬ超能力など、なにかがありそうな伏線どっぷりなわりには活かしきれてないようで、結局なんだったん?と肩透かしを食ってしまった感がある。
Youtubeの再生回数やTwitterのフォロアー数へのこだわりなど、現代っぽい要素も盛り込んでいたのだけれど、それがまたなんか軽い感じになってしまった。

現在の実体としての主人公と、過去の栄光をあらわす深層心理のようなバードマンの声が、どことなく「ベルリン天使の詩」と雰囲気が似ていて良い感じかなと思ったんだけど、
バードマンが実体化して現れ、空を飛んじゃったりした時点でアメコミ色がどーんとでちゃった。
もちろん人によって好き嫌いはあると思いますが、個人的にはどうもどっちつかずの宙ぶらりんな雰囲気になってしまったなあと。

終盤はちょっと衝撃的な展開になりました。(予感はしてたけど)
しかし、そこに至るまでの主人公の心の葛藤があまり表現しきれていなかったので、ちょっと唐突な感じでやや消化不良。

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