恐怖と欲望

War

前後しますがそれ以前に、スタンリー・キューブリックの幻の作品と言われる「恐怖と欲望(Fear and Desire)」見てきました。

何が幻かって、キューブリック自身が気に入らなくて、プリントを買い占めて封印してしまったので、全国で劇場公開されなかったらしい。死後勝手に公開されちゃうのは本人には不本意だったかもしれませんが(^^;)

で、実際に見てみてなるほど。。。と。
戦場におけるどこかずれていく人間心理と狂気へのいざないを描いてるのですが、特に具体的な戦争をモチーフにしたわけではなく「どこにでもあるような架空の戦場」であるせいか、ちょっとリアリティに欠ける面はあった。

また、特に最初の方が俳優が棒立ちで、素人っぽい舞台演技のような感じはした。状況設定もいまいち練り込まれてない感じが残り、その後に緻密なまでに作り込んで大ヒットとなった映画が多数あるなかで納得いかなかったのもわかる気がする(^^;)

でもね、あの独特のカメラワークと、抽象的な情景の捉え方などはやはりキューブリックだ!と感じられるものでした。(特に小屋でのくだり)
また、そこに至るまでの苦悩はやや浅いとはいえ、欲望に勝てず狂気の世界に入り込んでいく姿も妖しい。

全体的に荒さは目につくけれど、初期のキューブリックが目指していたものがちょっと見えた気がした。

恐怖と欲望 Blu-ray

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