閉館前の最後のレイトショーにてしばらく上演してたんだけど、昨日がそれも最終日。。。
ということで、「劒岳 点の記」を見てきました。
明治時代の末期に日本地図を完成させるために、未踏峰とされてきた剱岳の山頂へ陸軍参謀本部陸地測量部の人間が、測量の為の目印を立てるために挑むというもの。
実際には「剱岳に登る」よりも、「登ろうとするためにはどれだけの困難を伴うか」の過程を描いた作品。
監督は、カメラマンとしては有名な木村大作氏で、「撮影としてはプロであるが、監督をやるとなるとどうなのか?」という前評判でいろいろ取り沙汰されてました。
で、結論から言うと
素晴らしい作品です!
邦画ってどうもハリウッドの真似して派手なアクションをいれたり、スケールのでかい作品を作ろうとしても、こじんまりとまとまってしまうことが多い。
しかし、この作品は日本人ならではこその感性も生きていて、このような映画が日本で作られたことを誇りに思います。
この作品のすごいところは、CG合成などに頼らないで、実際に現地へいって、立山連峰や剱岳で山小屋やテントに泊まりこみながら季節も合わせて当時と同じような過酷な状況を再現しながら撮影されたというところです。
俳優さんたちも、実際に登山させられたりで大変だったと思います(^^;)
しかしそれだけに嘘くさくない、リアルな迫力のある映像となっているのでしょう。
山の険しい厳しさと美しさがあますところなく表現されており、映像も素晴らしい。
映像だけじゃないですよ。台詞や言葉にならないところでも、登場人物たちのそれぞれの葛藤や心の動きが見事に伝わってきます。
立山信仰というものの一端も垣間見ることができました。人間が踏み込んではならない世界。。。昔ほどそういう意識は根強かったことと思います。
しっかし、いつの時代にも、現場の状況を知りもしないのに、体面ばかりに捕らわる人間の悲しさってありますね。
ほんと腹立たしくあほらしいと思うところではありますが、なんだか滑稽でもある。
本当に大事なものとは何か?を考えさせられる作品です。
出番はちょこっとですが、役所広司さんはやはりいい目をしてますね。
案内人の宇治長次郎をつとめた香川照之さんがものすごいはまってた!
いやあ、いいものを見せていただきました(ー人ー)絶品。
一見地味に見えますが、これは是非見る価値ありますよ~~! おすすめです。
ただ2時間以上と長いので、お尻が途中で痛くなってしまった(笑)