1994年のことになるが「エド・ウッド(Ed Wood)」というティム・バートン監督の作品を劇場で見て、この貧乏でどうしようもなくセンスのない、しかし心から映画を愛する監督の作品に興味を持った。
実はジョニー・デップ(エド・ウッド役)という俳優もこの時はじめて知ったものだ。
実際にその作品をみてみたいという気になったものだが、史上最低の映画監督と言われただけあって、あまり一般的に出回っていなかったのであるが、今回まとめて入手できる機会があったので、少しずつ見て行こうと思う。
この「プラン9・フロム・アウタースペース」は映画エド・ウッドの中でも撮影風景が再現されている代表駄作ともいうべき素晴らしい作品です(笑)。モノクロフィルムです。
語り手からはじまり(ここはかなり大仰に過ぎるとこはありますが)、映画の本編に入ったところはとてもいい雰囲気で、重みもあるのですが。。。
謎の飛行物体が出現するところで大爆笑!
一気に落としてくれます。円●プロもびっくりでしょう。
非常に熱演(うまいかどうかは別)をみせてくれる俳優たちと、セットのちゃちさがものすごいアンバランスさを描き出して、もはやシュールとしかいいようのない世界。全体を通してセットや小道具に注目してもらいたい。
せめてもう少しセンスのある美術担当がいたらかなり印象が変わったと思うのですけど(ーー;)
これは恐怖、パニック映画?ラブストーリー?ミリタリーもの?はたまたSFか?コメディ??趣旨がつかめません!
一応ゾンビが人を襲うということがメインとなっているようなのですが、何故か恐怖感をまったく感じさせない。
多分精一杯のおどろおどろしさを出したつもりなのでしょうが、襲う瞬間がまったくないのも謎。いや、一応あるにはあったが死んでないし、あれは襲ったといえるのかも謎(^^;)
「ひどい死に方だ。。。」
というセリフもあるのですが、その死体役はと見ると外傷も流血も一切なく、死んでいるのかさえわからないぐらいw。
そもそもどうやって、何によって死んだのかさえ最後までまったくわからなかった(ーー;)
俳優が演技する1場面1場面はものすごくシリアスなんですよ!そこだけ見たらきちんとした映画のように思われるのですが。。。
未確認飛行物体複数来襲!!
ぎゃははははは。悪いけどやはり腹抱えて笑っちゃいますw。政治的な思惑も含めて内容がシリアスなだけに一層おかしい。
しかも戦闘シーンはどうも実写の戦争フイルムを流用してるようでやたらリアルなんだけど、空中の場面が。。。。。空が空じゃなーーーーいw。交互にかわる場面がまったく別の映画をみてるようだ。
そしてとうとう実行にうつされる「プラン9」。
宇宙人と宇宙隊長の実態があきらかに!!(宇宙隊長て。。。)
どのようにして宇宙人は襲撃を企てるのか。その極秘作戦の内容とは!!
軍部と宇宙人とのコンタクトに使われるなぞのスーパーコンピューター。宇宙人からのメッセージとは!?
もうね、、、発想のスケールと内容のギャップでどうしたらいいんじゃいと。
いよいよ迎える対決と、ポリスの対ゾンビ必殺作戦の内容も見物ですよ。そ、、それって。。。(ーー;)
この映画のさらにすごいとこが「主演のベラ・ルゴシがクランクイン初期段階で死んでしまっている」
途中で似ても似つかない代役に変わってしまっているのだw。
そのため本人のほんのちょびっとの映像を繰り返し使い、不自然な代役の動きとドッキングされていて。。
いやはやこの映画はもう生半可な特撮などは歯が立たないすごさを持っていますな。私は大好きです。こういうの。
この映画を見たら自分でもなんか作ってみようかな?という気にさえなってきます。てかね。。。
映画なんだけれど実際に映画として劇場で公開されてないというオチが(^^;)。
あまりのひどさに買い手がつかなくて、かろうじてTV放映されただけだとか。
でもね、笑いだけじゃないんです。まじめに科学の進歩と兵器の拡張を憂えているような真面目なメッセージも含まれているんですよ。ただ、表現の仕方と眼の付けどころが若干間違っているような気がするだけで。
おそらくティム・バートン監督の「エド・ウッド(Ed Wood)」を見た人ならば、腹もたてずに暖かく受け入れられるんじゃないかな。合わせてみることをおすすめします。
しかしこの映画に出演したおかげで、人生最後にこんな書かれ方したグレゴリー・ウォルコットさん可哀そう。。