ベイビー・オブ・マコン

Artistic
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全身白塗り裸で、頭のおかしそうな男の独白のような舞台から始まる。
劇中劇と言った感じなのだが、全体的に狂っている。

外野含め大勢の人の見守るまえで、ひとりの醜い老婆が出産する。。。

昔学生の頃、渋谷の地下にある単館でみたのだが、どう表現していいかわからない強烈さにその後DVDの販売をずっと待ち焦がれていた。

どこまでが演技でどこまでが現実か。
舞台と客席に境界はあるのか

いや、たぶんすべての場所が舞台であり、全ての人が役者。
虚構のように装った人生そのもの。

バロック様式の豪華な衣装と舞台で繰り広げられる夢物語のような絵巻。
登場人物は数え切れないほど。

やがて幼児に成長し、玉座に導かれる子ども。
その支度はとてつもなく高価な材料が散りばめられたものから、だんだん物騒なものに変わってゆき、最後は無価値なもので締めくくられる。
ここも観た人はそれぞれどう受け取るんだろな。

人間の欲望が付加された時に、全ては狂気の渦に向かって走り出す。
母の子を強引に自分の子と偽って、親を蔑ろにして幼児をダシに利益を求める女。
拒絶しつつも肉欲に負ける男。
あれだけ罵りながらまた幼児を金儲けの道具に使う教会。賛美歌のように鳴り響く美しい歌は「競売」。
裁きの元に集団強姦を正当化する男たち。
そして大人たちの欲望の渦に巻き込まれた無垢な幼児の運命は。。。。。。

あ、これって無修正モザイク無しのガチだった!

そういう意味だけじゃなく、やはりこの映画はタブーの領域だよな。
キリスト教の処女懐胎や忌み数の13をわざわざクローズアップして表現している。
神への冒涜としてかなり強い反発も受けたに違いない。

この上なく美しく、厳かで、残虐で、狂気に塗れたこの映像の世界は、他に比肩するものはないように思われる。
どう表現したらいいのか、人に勧めていいのかわからない映画なのだが、一度見たら忘れられない作品だと思う。

ベイビー・オブ・マコン 《無修正HDリマスター版》 [DVD]

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