1987年度カンヌ国際映画祭最優秀監督賞受賞。
ドイツ語の原題は「Der Himmel über Berlin」で「ベルリンの上空」。
英名は「Wings of Desire」で「欲望(願望)の翼」となる。
映像、音楽、言葉、、すべてが美しく、私の中では最高傑作に属する作品です。カメラワークも秀逸。
学生の頃に見て非常に感銘を受け、ビデオでも借りてみていたけど、DVDを購入して久しぶりに再観。
1987年公開のフランス、西ドイツ合作映画でヴィム・ヴェンダース監督。ベルリンの壁崩壊直前のベルリンの状況もつかめます。
モノクロームの世界。天使の眼。
地上の人々のつびやきや思惑は、とても詩的で祈りのようです。
と言っても、天使は無垢な子供や美しい女性ではなく、中年のおっさんたちなんですよね(^^;)。
時折友情出演のように「コロンボ」が登場するのが微笑ましい。
無邪気な子供たちから、青年、老い疲れた老人など、さまざまな想いが交錯する中を天使たちは彷徨い、見守り、寄り添い、時にはそっと癒す。
永久の時間の中、直接何一つ現実に触れることはなく、まぼろしの世界で生きる。
とにかく言葉の”るつぼ”のような作品です。とめどもない思考がぐるぐりと巡る。
基本はフランス語のようですが、時折ドイツ語のような発音があったり、英語に日本語まで混ざって、耳がはっとすることも。
時々胸を突かれるセリフが混ざっていたり、衝撃的な場面が織り込まれていたり。。。
サーカスは夢の玉手箱。一夜限りのはかない夢。
このモノクロームの世界が、ある瞬間にパッとカラーに切り替わる時、それは。。。
頭で考えながら観ると困惑することもあるかもしれない、心で感じる映画です。
今見てもやはり素晴らしい作品だなぁと思います。
最後が結構あっさりで、「あれ?こんな終わり方だったっけ?」とは思いましたが、続編もあります。
こっちをまだ入手してないから、中古ででてくるのを待っているんだけど(笑)
こういうセットもあるんだけど、肝心の続編が入ってないんだよねえ。