以前から非常に興味を持っていて、いつかは行きたいと思いつつなかなか人気で予約がとれなかったお宿である、福島の「新野地温泉 相模屋旅館」にようやく宿泊することができた。
ここも日本秘湯を守る会の会員宿である。基本的に昔ながらのこういう温泉宿が好きなので、実はスタンプを集めている。今回も秘湯の会のWeb予約からお部屋をとる事ができた。
今回も行った時は結構ふぶいていた。雪見風呂は東北冬の名物なのだろうw。(写真は翌日晴れた時に撮影したもの)
さて、最初から予約してある場合はとにかくチェックイン開始時間に間に合うようにいくことにしている。
特に人気の宿の場合は極楽贅沢独り占めを狙うには一番確実な時間帯だからである。
今回も宿にはいって早々さっそく風呂に向かったのだが、同じ事を考える人がいるもので、すでに先客がいたりして。
こちらも1Fに男女別内風呂と野外の通路をつたって行く男女別露天風呂がある。2Fにも風呂があるのだが、こちらは女性だけ露天付きで男性は内風呂のみ。
時間による入れ替えがないので女性だけちょっとお得な気分になれるとこなのである。
まずはマナーとして体を洗わないといけないので、1Fの内風呂に行ってみた。
壁が昔の現場事務所のようなトタンで、ところどころ穴があいてたりビニールでふさいでであったりした。ふぶいていたのでそのビニールがバタバタちょっと騒がしかった(ーー;)でもきらいじゃない。
お湯は緑がかった乳白色で、木の浴槽と洗い場で暖かみがある。しかしシャワーどころか水道の蛇口さえなく、男女のしきり付近に木枠の樋みたいなのがあったが、中はお湯ではなく水で満たされていた。
さすがに真冬に水をかぶる勇気はなかったので、風呂の温泉を汲んで体と頭を洗った。
刺激はそんなになく(蔵王の一件があったのでちょっとおびえている)、温度もそれほど高くはないが、酸性なのでなんか後で頭がごわごわにならないか心配だった。
しかし、それほど熱いとも思えないのに体は非常に暖まり、入浴後はぽかぽかがかなり持続する。そんなに長くつかってなくても寒く感じないのはいい湯だなと思った。
暖まったうちに、ここの名物である野外の露天へ移動。完全野外の為、スリッパからビニールっぽいぞうりに履き替えて外へGo!
尾瀬の散策路かなんかのように橋状の小道が続いている。まんなか付近には源泉の蒸気が吹き上げていて、風の向きでもうもうとたなびいていた。
この道の途中で分かれ道となっていて、上に向かうと女性専用露天、下に向かうと男性露天になっている。上だからといって女性風呂から男性風呂が覗けるわけではないw。
完全独立型で歩道はお部屋からも丸見えだし、そこそこ距離があるため脱衣所は風呂脇にある。
んが、たまに男性が裸で前だけタオルでかくして内風呂からそのまま歩いていることもある。一応そこは共通の道ですぞ〜〜。しかも雪の降りしきる中を。。。。
で、その脱衣所なるものであるが、特に小屋とかになってるわけでもなく、風呂脇の棚に屋根がついただけのものだった。
大雪になると、もはや半分機能してないとも。
カゴも雪まみれなので脱いだ服の置き方を考えないと、パンツが雪でぱりぱりになってしまったりします。
着替えるときも浴衣のすそが雪をかすってぱりぱりになったり技術が必要ですな。
冬の雪の中のせいかお湯はややぬるめ。さらに雪が吹き付けてくると暖まったかどうかもよくわからなくなるのですが、上がってみると全然寒さを感じないので体の中からよく暖まっているようです。
とはいえ長く入ってると服に雪が積もってしまうのでそうのんびりともしてられないw。
周囲には雑木林しかない一件宿のため、大自然に囲まれているのが気持ちいいですな。しかし吹雪いた夜にはここまでやってくる勇気がなかなかもてないものである。
次に2Fの方にあるお風呂に行ってみました。そこで気づく。
「あぁ、失敗した!最初にこっちにくればよかったのだ」
こちらの方が設備は整ってました。シャワーも水道もあるし、洗い場も広い。一番最初にここで体や頭を洗った方がいいかと。
ただ、お湯は一番熱かった。1Fの内風呂の方がぬるめでした。窓も広く開放的です。
女性用の方は、脱衣所から露天につながってます。
普通の玄関のようなドアをあけるとすぐ露天。こちらには体を洗う設備はまったくないので内風呂で流していきましょう。しかしドアノブにまで雪が積もってますな。。。
すぐ脇がかなりの急勾配になっていて、1m以上の雪が上までつもってまして、いつか雪崩が起きるんじゃないかとはらはらどきどきしてました。
しかも風でここから雪がぼーぼー吹き下ろしてくるのでかなり冷たい。屋根もないので北極グマにでもなった気分です。
景色はとても素晴らしいです。このように晴れると目の前に雄大な安達太良山がそびえたっています。うーん贅沢。
浴槽も2つくっついた形になっていて、手前がお湯の流入口になっています。区切られているため奥の方がややぬるめだけれど、冬期は手前でもちょうどよい温度。
結局野外は到着直後と翌日の朝の2回行っただけで、後はここが気に入っていりびたってました。
当日も満室で宿泊客は大勢いたはずなのだが、タイミングが良いせいかほとんど人にあうことなく独り占めを満喫できました。
ちなみにお湯はでてくる時は透明で、時間とともに乳白色に変わっていくようです。最初来たときは入れ替えた直後だったのか透明でした。
食事はかなりボリュームがあって、最初はこんな感じであとからテンプラやらでかい汁ものやらもでてきてとうてい食べきれませんでした。
朝はおかわり自由で麦とろ飯があったのがおいしかったなぁ。
吹雪でさえなかったらもっと野外の露天にもいけたんでしょうが、ここが人気の高いのがよくわかりました。お値段もそんな高くないのに接客は非常に丁寧で、しつこさもなく好感がもてます。
週末予約をとるのがなかなか難しいのですがまた来たいと思える宿ですな。