いよいよ始まりましたKENPOKU ART 2016
前売りパスポートも購入して、ガイドブックも買ってチェックし、行く気満々である。
とにかく範囲の広さも出店数もかなりのボリュームなので、地区ごとに日を区切ってみていかないととても見切れない。
開催日初日でもある第1日目は、とりあえず遠くて道も不便そうな山側の大子から回ることにした。
「連鎖的可能性」 (ジョン・へリョン) ― 袋田の滝
トンネル内をくねるように照らす赤い光。途中七色に変わるところもあったりしながらダイナミックに頭上を這う。
で、入場料払って入るのですから滝もしっかり堪能しましょう。
連続してきた台風の影響でさぞや水流強いかと思いきや、思ったより水量は増えてない気がする。
そのまま大子の街部へ向かう。
駅近くの大子町文化福祉会館「まいん」 では芸大の皆様の展示がありました(8days in daigo)。
結構特色のある強い印象の絵画たち。他に壁面を埋める様々な絵画のBOXも。
商店街を進んでいって、再奥の角にあった地域おこし協力隊事務所。
展示室は階段上がった2Fのそう広くはない1室。
「大子 ロスト・アンド・ファウンド 」(ソンミン・アン)
暗い部屋の中、モノクロなど古い8mmフィルム映像にピアノのBGMが流れる。葬式だったり運動会だったり歳末特売だったり、なんでこんなもの撮影したんだろ?というものもあり、つい見入ってしまった。
街かど美術館
次の麗潤館は見て回るものが多そうなので、ここで昼食。
冷凍ではない新鮮な奥久慈しゃもを食べさせてくれるという「弥満喜」似て親子丼。
卵だけでもめちゃ美味しい! ただ席数が非常に少ないので、時間により外で1時間待ちとかある(–;)
麗潤館では部屋ごとに複数の展示がありました。
まずは「森の音のゆくえを辿って」 (エレナ・トゥタッチコワ)
伐採上など林業に関わる写真展示に加えて、ヘッドフォンが置いてある部屋がある。耳に当てるとグイィィ〜〜ンウイィ〜〜ンとチェインソーなどの音が響いてきます。
「茶の本」 (木下真理子)
一見壁面が書で埋め尽くされた渋い和室。
でもよく見ると、細かく四角に切られた書がバラバラに貼り合わされていて、ずれが不思議な違和感を生み出している。
「干渉する浮遊体」 (ハッカソン)
アーティスト:甲斐 桜、佐藤 大基、水落 大、橋本 次郎、Mafumi Hishida(菱田 真史)、柳澤 佑磨、アビル ショウゴ
いわゆる「シャボン玉」なんだけど、これが結構長く壊れず止まり、モノクロな空間に上下する。
シャボンの表面に景色や見てる人が映り込み、いろんなものを内包してるということらしい。
ちなみに「ハッカソン」というのは個人名ではなく、一定期間集中的に共同作業を行い、その技能やアイデアを競う催しらしい。
「japan?」 (secca)
漆のことを「Japan」と英語で指し示すそうです。
一見均一に真っ黒ですが、実はこれ昔ながらの和漆である奥久慈漆と中国産の漆とウレタン塗料で塗り分けられています。
素人目には違いがよくわからないけれど永年使い込むほどに風合いは変わり、唇に触れる感触などは全然違うみたい。
「柔らかい秩序」 (木本圭子)
コンピューターで数式の演算を繰り返して生まれたCGの造形。フラクタル幾何学な模様ってソフトウェアなどもあるが、どうなるのか実際よくわからないところがある。
「折り紙ミューテーション」 (BCL)
「DNA折り紙」と呼ばれるDNAの構造体を和紙に入れ込み、それを折り紙として形作るというややこしい試み。
その背後にはDNAの配列らしきものが次々と投影されていきます。
直接関係ないのかもしれないが、非常に気にいった「漆の間」
めちゃ好みでこういう床の間うちにも欲しいな。。。
すぐ近くの古民家を改造した「daigo cafe」にてアイスコーヒーとお芋とリンゴのデザートをいただく
後ろに見えるようなリンゴをモチーフにしたステンドグラスの照明がいくつかあります。
大子フロント
大子駅の脇に入ったところにある建物では、金工アート。
一番気になったのがこの煮干し。本物と金工細工見分けられるかな?
この後車でまた移動して旧上岡小学校へ。
映画やドラマで多数使われたことがあるので、見覚えのある人もいるかもしれない。
「嘘つきだった子ども、大子で真実に出会う」 (ピウス・シギット・クンチョロー)
図書館の本棚や机や用具など至るところに傷つき悩む少年の言葉がちりばめられていた。刺さる言葉が結構痛い。
廊下や教室、職員室などもノスタルジーに溢れて見所満載。
「沈黙の教会、あるいは沈黙の境界」 (田中信太郎)
階段を上って踏み込んだ講堂の中は、黒い液体で満たされちょっと独特の刺激臭がある空間に。
静かに目を凝らすと、鏡のように周囲の景色が逆さに映り込んでいた。
結構気に入って長く周囲をぐるぐるしたり佇んでいた作品です。
そしてもう一つの本日のお気に入りはすぐ奥の最後の部屋にありました。
「記憶装置」 (Composit)
ニコラ・シャルボニエ、ギオーム・レジェ、ジュリ・プロスト、南條俊輔フランソワ、クリストフ・K・グーセンス
真っ暗な部屋の中に浮かび上がる、布に覆われたシルエット。
ふわふわと明滅するオレンジの光の中で、見る方向によって中身が透けてうかがえる。
なかなか雰囲気の良い素敵な小学校でした。
ゆっくり見ていたら時間が押して夕方になってしまった。ちょい急ぎ足ぎみに「旧初原小学校」へ向かう。
ここもかなり古い建物で平屋建て。東京芸大主催でいろいろな国の作品が集められていました。
廊下から天井まで覆い尽くすような金属のツタ
コーヒー豆のようにつぶつぶした動物たちの部屋は、なんかチョコレートみたいな匂いがした。
ついドアを開けて覗いてみたくなるような、講堂の中のプライベートルームとか。
この後奥久慈茶の里公園も行ってみた。
人形博物館内なので写真禁止っぽいが、焼き物や蒔絵などがあった。
今回行かなかったのは、旧浅川温泉の展示が10月中旬以降出会った為、同じ方面の森林の温泉も後日行くことにしました。