西那須野・塩原インターを降りて少し行ったところに千本松牧場の看板が出てくる。
レストランやらお土産やらいくつかの建物が並んで賑やかなのが気になって立ち寄ってみた。
美味しそうな調味料など豊富でつい大人買い٩(๑´3`๑)۶
街道沿いにはチーズケーキ屋さんやこじゃれたカフェやレストランがちょこちょこあって惹かれてしまうが、取りあえず先を急ぐ。
しかし、見過ごせなかったのが史跡鍾乳洞「源三窟」。
源義経の娘婿でもある腹心、源有綱という人が、義経が鎌倉を追われた時に別ルートで逃げ、しばらくこの地の鍾乳洞に潜んでいたという、、、歴史と洞窟という私の好きなものが2つ揃っちゃった!
雪が周囲に積もってるこの季節の微妙に辺鄙な場所。客は他にいない。
ささっと手短に見てくつもりであったが、最初に管理人のおじちゃんの懇切丁寧な解説つきであった。これが実際の観覧時間の3-4倍はあろうかという(笑)
摂津と河内源氏の系譜と歴史から義経と弁慶の出会いに都落ち、平泉の藤原氏の話、源有綱の立ち位置と義経と袂をわかってからの道行。鍾乳洞というもの自体の説明とこの源三窟の特徴。どのように追討の兵に捕まったか、また弟の源頼成が「和泉守」であったことから、塩原温泉「和泉屋」の祖となった話など洞窟以外にも話広がりすぎ(゚д゚lll)
洞窟入口に米を研いだと言われる小滝がある。その磨ぎ汁が川に流れ出したのを頼朝の追討軍に発見されて命取りになったとか(/´△`\)
通路は狭く頭上も低いけれど想像していたよりも中は長かった。(正直数mで突き当たりだと思ってた)
ところどころ人形が配置されていて説明風の会話が流れていたりする。
行き止まりではなく突き抜けていて、出口の階段登った先がお土産屋と武具資料館になっていた。
が、ここの繋ぎがかなり強引で印象的だった。
武具資料館には、洞内より発見されたという鉄製の錆のひどい鎧兜があり、怪異の話も残ってました。
(※源三窟の落人伝説は塩原周辺の伝承ですが、大和付近を出る前に見つかり果てたという説もあり)
予想外に時間をとり、チェックイン時間に遅れてしまったけど、本日のお宿は奥塩原の新湯温泉に建つ「渓雲閣」さん。(ついたのは昼間ですが。。)
日本秘湯を守る会、源泉湯宿を守る会などの宿で、シャワー付きトイレ設置の本館と、トイレ洗面は部屋外共同の旧館があります。共同と言ってもウォシュレット、暖房便座ということで、今回は旧館におじゃましてみました。
こざっぱりとした和室。部屋奥に洗面あれども水は出ないので廊下の方で。
女性は選べる浴衣セットを藤の篭に入れて貸出。バスタオル、タオル、歯ブラシ、足袋靴下つき。
部屋ごとに決まった仲居さんがつく昔ながらのスタイル。
とりあえずロビーの脇を抜けていく(ロビーは3F)男女別の大浴場(内湯のみ)へ。24時間かけ流しです。
脱衣所には栃木県ゆかりの著名人の名前が各篭につけられていました。(何気なく近くに脱いだら「ザ・たっち」でした。。)
やや青みがかった乳白色のお湯。硫黄の匂いもただよう単純酸性硫黄温泉(硫化水素型)。
硫黄濃度が濃いのに酸性度が比較的低めらしい。蔵王の方で過去顔が数日パンパンに腫れ上がったことがあるから、酸性硫黄泉はちょっと怖かったんだけど(笑)
この内湯には、シャンプー、リンス、ボディシャンプー、石鹸など一般的に必要なものは装備。
子供用の椅子だとか、ベビーバス、アヒルのおもちゃだとかも風呂脇にあってお子様に対する配慮がなされてるようです。
そういえば、旅館内での「はじめてのおつかいイベント」なんてものもあって、小さいお子さんのお買いものゲームも楽しめるようです。
ロビーには、お茶と漫画などが置いてあるのでついうっかり長居して湯冷めしてきてしまう。
「たぬきのお宿」ともいうそうで、階段わきにはずらりと並ぶさまざまな狸たちが。。。
そこで夕飯前に、旅館のすぐ裏手にある男女別の共同浴場「むじなの湯」へ。
昔傷ついたむじながこの湯で傷を治したという伝承があり、渓雲閣の狸三昧もここからなんだろうな。
ここは旅館と源泉が違う上に熱湯として有名らしい。酸性含硫黄-アルミニウム-硫酸塩温泉(硫化水素型)
後で仲居さんに聞いた話では、熱すぎて入れない方が多いということだったが、気温も低く周囲の源泉全体的に湯温が下がってたせいか、先に来た他の人が水いれたのかわからないが、手先や足先がちょっとぴりつくぐらいで入れるくらいの熱さだった。(旅館よりは結構熱いけど)
そして夕食。
栃木和牛や、大根もち、湯葉巻きなど山里料理。岩魚の御造りがほんと新鮮で臭みがまったくなく、芸術的に美しく骨が取り除かれていたのには感激。他の料理も丁寧に作られていておいしかったし、量も多すぎずちょうどよかった。
温泉水を使ったという限定少数の梅酒とサイダーもいただく。
2月末まですぐ近くで「竹灯籠とミニかまくらの点灯競演」というイベントをやっているというので、腹ごなし散歩がてら見に行った。
こじんまりとはしているけれど、雪の上に輝く暖かな光は綺麗でしたよ。
玄関側の坂を登って行った方には混浴の共同浴場「寺の湯」と灯篭会場の目の前に「中の湯」(男女別があります。基本的にどれも源泉は高温で18時には閉まってしまいます。
現時点では、外来入浴300円、周辺の宿泊者は無料。洗い場も休憩所もないので基本暖まる専用ですな。
宿に戻ってきて気が付いた、鎖樋から落ちる水が途中で凍って氷瀑のようになってました。
体が冷えたので、宿の1F外にある、貸切庭園露天風呂へ。
予約とかはなく、単に空いてたら表の表札をひっくり返して脱衣所のカギをかける仕組み。左右で2つあります。
洗い場はないので、3Fの内湯の方で体や頭は洗ってから。こちらも源泉かけ流しで宿泊者は24時間入れます。
とりあえず脱衣所が寒いので着替えは手早く( ̄ii ̄)
朝はお味噌汁と鍋で作る豆腐がおいしかったです。
比較的良心的なお値段で料理もおいしくお風呂も大きくはないけど情緒があり、なかなかよいお宿ではないでしょうか。