おとうと

Human Drama

幸田文さん原作の小説で、古くは1960年に市川崑監督が映画化し、1976年には山根成之監督がリメイクしている。
今回の作品は市川崑監督に捧げるという表記がある。

どうしようもなくクズの弟を持ってしまった姉(吉永小百合さん)の話。
早くに親をなくし、馬鹿な弟(笑福亭鶴瓶さん)の尻拭いばかり。
結婚はして一人娘に恵まれたが、旦那も早々に亡くなり女ひとりで育て上げてきた苦労人。

ようやくその娘も成人して結婚式という当日、押しかけてきた弟が泥酔して式をめちゃめちゃにしてしまう。

なんか寅さんの逆バージョンっぽいな。。。。

しかし金持ちのエリートと結婚した娘の結婚生活も決して幸せではなく、家庭環境の違いに馴染めず里帰りしてきた。

さらに弟の大阪の女が、弟に貸した大金そのままにバックれたと駆け込んできて、こつこつ貯めた貯金を一気に下ろして肩代わりする羽目に。

幼い頃から母親のように育ててくれた姉には非常に懐いている弟だが、やることなすこと迷惑しか掛けてない(╬•᷅д•᷄╬)

そりゃそのうち穏やかな姉ちゃんだってキレますって!

酒と博打と金にルーズで、安定した職も続かず夢見がちで、バカで逆ギレはするし、コンプレックスの塊で、卑屈で、そのくせ他人を見下したり、ほんっと人として最低最悪なんだよな。
身内にいたらやばい人。

それでも気にかけることを止められない姉の絆。
そして明かされる、、、
姉の死んだ旦那さんも底抜けに良い人!!!
神様みたいなご夫婦ですね(*•̀ᴗ•́*)و ̑̑

そして物語はクライマックスへ。
ほんとどうしようもないんだけど、ほんとお姉ちゃんのことが大好きで信頼しきってんだよなぁ。
共感はできないんだけど、むかつくんだけど、甘ちゃんなんだけど、あまりにも無防備で路頭に迷った子供みたいで見捨てられないというか。。。

鶴瓶さんの憎み切れないダメ男っぷりは見事にはまり役。
吉永小百合さんも歳をとってもほんと綺麗で透明感あるねえ。
娘役には同じく透明感のある蒼井優さん。最後の看護師も透明感のある石田ゆり子さん。
町内の素朴な若者も毒のない加瀬亮さん。

固めてる脇役がこれまた非常に味のある名俳優揃い!
加藤治子さん,笹野高史さん,森本レオさん,小林稔侍さん,小日向文世さんなどキャラが濃い!
他にも中居正広さんやお笑いタレントの石塚義之さん、ラサール石井さん、池乃めだかさん等々いろんな人がでてきますな。

昭和の女の強さみたいなものが感じられる作品です。

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