シザーハンズ

昔みたような見てなかったような。。。と思いプライムで見た。
比較的初期の方のジョニー・デップも見られるので。ヒロインはウィノナ・ライダーとなかなか豪華。

ティム・バートンらしく、夢の溢れる楽しげで優しいファンタジー。
。。。。。そしてやはり後半はかなりブラックな展開になるのだな（－－；）

街からはよく見えるんだけど、誰も気味悪がって近寄ろうとしない小高い丘の上の古城。
ある発明家が人造人間を作り上げて、よりよい人間として生きるための教育やマナーなどを教え込んで可愛がっていた。
だがある日突然博士が亡くなり、一人取り残された人造人間のエドワードはそのまま屋敷で庭の手入れなどしながら暮らしていた。
そこへたまたまやってきたちょっとおせっかいなセールスレディのペグが自分の家に連れて帰り。。。

明らかに肌の色もおかしいし、縫い跡だらけのフランケンシュタインみたいで両手があるべきところに大量のハサミという異常さなのだが、意外と家族も町の人々もすっと自然に受け入れてしまえるのが微笑ましい。

手のハサミはやたらと切れ味鋭く、食事をしたり着替えたりちょっと触れただけで怪我をしたりと日常生活に支障があることこの上なくてはらはらするが、何かを形作ることにかけては天才的な技術とアーティスティックな感性を持ち合わせてるのであっという間に人気者となる。

ここまではほんとうきうきするようなことばかりで楽しくて、心の優しいモンスターと平和で幸せな人々なんですよ。人間の娘に奥ゆかしく歯がゆいウブな恋しちゃったりね。

ちやほやして、利用して、自分たちにとって無害で便利な青年であるうちはあんなに親切だった人々が、無責任な悪意によって事件が起こると手の裏を返したように態度が変わり、あまりにも純粋すぎるエドワードをどんどん追い詰めていく様子はなんともやりきれない苦々しさと腹立たしさで煮えくり返る。

本当の醜いモンスターは、普段穏やかに暮らしてるように見える人間の内面に潜んでいる。