スプリット

ナイト・シャマラン監督の放つサイコスリラー。

アメリカなので「24人のビリー・ミリガン」へのオマージュ的な意も含んでいるのだろうか、老年の精神科医の元に通う同じく24の人格を持つ解離性同一性障害者の話。

同じ体に潜む人格でありながら、潔癖症、知能の高いもの、無邪気な子供、犯罪素質、女性、さらにはアレルギーや疾患体質まで、他人としか言えないような特徴が次々と入れ替わる。
ただの妄想と違うのは、人格が変われば体格や体力、障害など身体的にも違ってしまうというところだ。

そして完全に別人格の行動がわからなくなるわけではなく、話あいも行われているという。
誰が表に出るかは、椅子に座ってスポットが当たるのを待っている状態ともいう。

人格の分裂は、過去の深いトラウマによって起こると言われます。
具体的には暴力的虐待、性的虐待など。
自分自身を守るすべのない子供が、自分を守るために落ち着いて強い、もしくは負けないくらい残虐で賢い大人の人格を生み出す。

基本的にホラーではないし、状況の異常さに怯えはするものの、特に傷つけられたり殺されるわけではなく、ベッドも風呂トイレも完備な部屋で淡々と監禁生活が綴られていく。
服だけは汚れたら脱がされるだけで(性的な意ではなく不潔に対する嫌悪から)、だんだんと失ってはいくんだけど。

そう、劇的な演出でどきどきさせるわけではない地味な造り。
ただ、何を考えているのか、何をしようとしているのか、要求や目的が全然見えないのが不気味で恐ろしい。
漠然とした不安の中で、得体のしれない男の一人芝居のようなものを見せられ続け精神的に追い込まれて無謀な脱走を試みてみたり。。。

日本ではそれほど面識のない俳優さんが多いが、演技がうまいので入り込んでやきもきしてしまう。
まあ一番迫力があるのはやはり、狂気をはらんだジェームズ・マカヴォイの人格変化ですね。
表情がまた何とも言えない。

最終的には、クラスでのけ者扱いされていたヒロインの過去のトラウマ(しばしば回想的に挿入されていた)と最強最凶の25番目の人格が向き合うかたちとなるのですが。。。

派手さはないけど好きな部類の映画です。
あと、同じくナイト・シャマラン監督で2000年に公開されてた「アンブレイカブル」は見といた方がよさそうだ。
アンブレイカブル [DVD]

最後にちらっと登場したブルース・ウィリスの意味と、広告ポスターの類似性がわかるかも。

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