不思議の国のアリス (矢川 澄子訳)

海外小説

不思議の国のアリス (新潮文庫)

先日「アリス・イン・ワンダーランド」を見に行って、そういや原本読んだことないなと興味を持った。

ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」「鏡の国のアリス」といえば、長く愛されている世界的にも有名な名作で、授業でちょこっとかじった人も多いのではないか。
”トランプの女王”やら「笑う猫」やら読んでなくとも代表的なキャラは知っていたり。。。

映画というのは迫力を出す為にオーバーに演出していることが多い。アリスも子供向けのファンタジーだろうくらいに思ってたらとんでもない。

。。。映画はあれでかなりお手柔らかだったのかも(ーー;)と思ってしまった。

理論的に頭で考えようなんて思ったら、大混乱に陥るだろう。話の前後のつながりも、登場人物の話す内容も、行動も、なにからなにまでおかしいどころか意味不明だ。

「え〜〜〜っと、いったいなんの話ですか?」と(笑)
でも子供の空想なんて、こんな感じかもしれないね。支離滅裂なんだけど、なんかおもしろい。

日本でも過去何人もの翻訳者の手によって送り出されている話であるから、訳者の受け取り方によって印象はかわるかもしれない。

私が読んだのは「矢川澄子」さんの訳であり、挿絵も金子国義さんオリジナルのものだ。

探してみれば、高橋宏 訳、柳瀬 尚紀 訳、脇 明子 訳、村山由佳 訳、芹生 一 訳、河合祥一郎 訳、生野 幸吉訳、、、まだまだある。

今回受けた印象は、おませでおてんばで強がりで好奇心旺盛な子供。

おしゃべりで楽しいことが好きなのに、うっかり自分の発した言葉で、周囲を不快にさせたり傷つけたりすることに対して敏感な子供。

とにかくひとりごとをずっとつぶやき続けるアリス。一人二役で聞き手と喋り手をつとめるアリス。

一人芝居の一人遊びが、当たり前のことのようになってしまっている子供。。。

ものすごく生意気にも見えるけど、ぎゅっと抱きしめてあげたいような健気さも感じました。

文体は語り口調でちょっと癖があるけれど、読み進めて行くと違和感を感じなくなってきます。

不朽の名作と呼ばれるような作品は、大人になるとなんとなく気恥ずかしいような気もするけれど、やっぱり何かそれだけのものを持っている。

「ガリバー旅行記」なんかもそうだけど、大人だからこそわかる部分とかもあるので、今後も少しずつ読んでみようかなと思います。

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