四万温泉は初めて行ったのだが、いくつかの地区に分かれていて宿への道も同じ通り沿いではないのだな。
車で行くと、かなり複雑に分岐した見通しの悪い狭い道なども通るので、同じように迷ってウロウロしてる車も見かけた。こりゃ最初わからないわ。。。。
チェックイン時間より少し早めについたので周辺をちょっと散策。
宿のすぐ前が無料の公衆浴場「御夢想之湯」となっている。
四万温泉発祥の湯と言われる最古の湯だ。とはいえ建物は近年立て替えたようで新しく小綺麗だった。
朝9:00〜15:00まで一般の入浴も可。それ以降は管理している地元の方々のお風呂となるそうな。
シャワーや洗面蛇口はなく、シャンプーや石鹸も置いてはないので、浴槽のお湯でよく流して入る。タオルなども持参のこと。コインロッカーもないので貴重品も自己責任で。
黒いツルツルの御影石(?)の浴槽で、手足を伸ばして入るのは一人まで。知らない人同士は二人並んで入るのが限界という感じでした。
脱衣場のすぐ下が浴槽なので、状況は一目瞭然だと思う。
この御夢想の湯の前には足湯もあります。
横に長い枡のような木桶に湯が満たされていて、切り株のような椅子に座ってくつろげます。
また、庭先と言っても良いすぐそこに、国重要文化財となっている「日向見薬師堂」がある。
鄙びた茅葺きの室町時代の建築様式。
源頼光の家来、碓氷貞光がこの地で読経していたら山神のお告げがあって温泉が湧いたので薬師様を祀ったそうな。
手前にあるのが「お籠堂」
薬師様にお参りに来た人々が、ここで祈りを捧げる建物ということ。
奥に位置するのが「薬師堂」
建物自体は慶長3年に真田信幸の武運長久のために建立されたらしい。
この日向見薬師堂と御夢想之湯に寄るなら中生館に宿泊するのが一番立地が良いと思う。四万温泉中心街からはかなり離れているので。。。
さて、「中生館」は四万温泉の最奥に位置する昔ながらの和風旅館です。
家族経営かな?という感じの素朴でアットホームな方々。
旅館独自のwifiもあったのは意外だった。
部屋は懐かしい感じの和室で、冬はコタツに石油ストーブが暖房となっている。
が、特に寒いということもなかった。
廊下にもあちこちにストーブが置いてあった。
(改めてみると、来たばかりなのに押入れの襖が少し開いてて布団らしくない白いものがのぞいてるのがなんか怖いな。。。)
部屋にトイレと洗面付きで暖房便座ではあるがウオシュレットはなかった。
アメニティは浴衣とタオルと歯ブラシ。
バスタオルがないが、風呂の前に普通のタオルが山積みにされており、使ったら下の籠に入れる仕組み。
ドライヤーも見当たらなかったので必要ならば持参した方が良いかも。
お風呂は男女別で、夜の7:00〜9:00の間だけ入れ替え制。
ナトリウム・カルシウム‐塩化物硫酸塩温泉で、無色透明ほぼ無味無臭。
女性風呂は高野槇で出来ており肌触りが軟らかい。昼間と朝はややぬるめくらいで個人的には好きな温度。
御夢想之湯と同じくらいの大きさで、やはり1-2人用といった所。
シャワーが一つあるが、冬場はお湯が出るまで時間がかかる(笑)
7:00からの入れ替えで男性風呂の方へ行ったら、そちらの方が大分大きかった。
石造りの浴槽が浅いのと深いのと2つ並んでいて、浅い方が温度が高かった。
コップが置いてあるので飲泉可ということだろうが、手ですくうには熱いので、持参の折りたたみコップで飲んでみた。
特に苦くもしょっぱくも無く白湯という感じ。
また、男性の方には露天風呂もついているのだが、写真ではわかりづらいが雪がザンザン降っていたので頭と肩が冷たかった。
そこで、壁側に備え付きの笠を被って入ってみた。
雪で温度を下げられるようでぬるくなっていたのでまた内風呂へ。内風呂の湯温が女性風呂より熱かったのは時間のせいか、露天風呂との差か。
実はもう一つ「かじかの湯」という露天があるはずなのだが、5月中旬~10月中旬までで冬季閉鎖だった。
写真では一番川に近そうだったのだ惜しいなあとおもっていたが、、あった!
丁度内風呂の橋渡った向かい側、、ああこりゃ裸で入るの無理無理_(꒪ཀ꒪」∠)_丸見えのとここだった。(水着、バスタオル着用OKとのこと)
食事は部屋にお膳で運んでくる。
畳の上で食べるなり、コタツの上に食べる小鉢を乗せるなりそこは自由に。
ご飯はおひつに入っていた。
お料理をいくつかピックアップしてみるとこんな感じで、ああ日本の旅館飯!という感じ。
肉団子みたいなのが入ったお鍋もさっぱり塩味。
量的には多すぎず良い感じの分量だった。
夕飯を片付けると同時に布団を敷いてくれるのだが、なんかもっこりしてるなぁと思ったら大きな湯たんぽが入っていた(=^▽^=)
ただ、朝は7:00過ぎにさっさと布団を片付けに来てしまうのは残念(´・ω・`)
朝風呂入ってゴロンが気持ち良いのに、、、
風呂側の階段から行き来していたので気づかなかったが、もう一か所のロビー側の階段の方に読書コーナーもあったよ。
アメニティはそんなに充実してはいないけど、特に不自由さも感じないどこか懐かしい感じの温泉旅館らしい旅館でした。
難を言えば、壁が薄いのか多分様々な準備で旅館の方々がバタバタしてる音が川の音以上に響く。
ただ、宿泊収容数が少ないので他の客がうるさいということも無く、朝を除いて他の人と風呂が被ることなく貸切状態だったのは◎
窓辺にものを置いておくと、窓についた水滴でびちょびちょになるので注意。
また、最奥で温泉街からはかなり離れているため、街を散策するのは難しいかな。
翌朝はちょっと先にある「奥四万湖(四万川ダム)」に寄ってみました。
車で登っていくと圧倒的な高さの壁が立ちふさがっているのが見えます。
この日も雪でけむり薄暗いけど、とにかくすごく深い碧さが印象的。
水の動きが少ない奥では氷も張ってますね。
さきほど見たダムの壁側から見下ろすと、目のくらむような高さが味わえます。
帰り道沿いにあった下流にある「甌穴」にも立ち寄ってみた。天然記念物らしい。
冬季閉鎖と書いてあったが、この時期は問題なく下まで行かれた。
途中球形舎などがあるので凍ったり雪が積もってると閉鎖されるのかもね。
「穴」というのは川底にあるのでわかるにくいが、多分深くなって見える箇所がそうなのであろうと。。。
川の水もかなり碧いです。
実は「カモシカ」に会いたいために遭遇確率が高そうな最奥の宿に宿泊したのですが結果は会えず。
近年は熊野被害が広がっており、その関係で山中にも熊よけ対策を施しているので、カモシカもあまり街中に降りてこなくなったとか。
昔はこの宿の玄関先まで遊びに来てたんだって(><)
でも四万温泉は散策登山コースもたくさんあるので、また良い季節に運動兼ねて訪れたいなと思いました。