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アブ・シンベル神殿に向かうには、警官の警護が必要でいったん集合場所に寄ってバスに警官をのせていかなければならない。
行きも帰りも警官の方の事情にあわせなければいけないので時間厳守徹底なのはいいが、出発が朝3時過ぎ!!
昨日も目一杯行程が詰まっていて早くホテルに戻れた訳でもないのに2時にはモーニングコールでやや寝不足。
しかし今晩はナイルエクスプレスで寝台列車の一等席での旅だ!
まだ真っ暗なうちに出発し、うとうとしながら気づくと周囲は一面の砂漠。
砂の荒涼とした世界に真っ赤な朝日がちょうど背後から昇ってくるのが見えた。

アスワンより280km、3.5時間ほど先のアブシンベル付近は町中になってしまったけど、神殿は海のように広いナセル湖に面している。(面積は5,250 km²)

真っ青な空に白ちゃけた赤っぽいレンガの神殿が見上げるようにそびえ立ち、なんとも雄々しい。
ああこれだこれ!
高さ33m。像の高さだけで20mある。圧倒するような権力の象徴ですな。

エジプトといえばギザのピラミッドと並んで必ず出てくる光景。それが今、手を伸ばせば届くところに!
岩山をくりぬくような形で内部が神殿になっており、大神殿の方は太陽神ラーを祀っている。
入り口左右に4体並んでいるのはすべてラムセス2世。でも全部同じ像ではなく、左から青年期〜老齢期までの姿で彫られている。
入り口上に小さめに彫られているのが太陽神ラー・ホルアクティ。


足下には小さく王子や王女など家族たちの像が。

最前列にはホルス神がずらりと並ぶ



内部は撮影不可なので、頭の中にしっかり刻み付けておかねば。

室内にも多数のレリーフや彫像が並び、最奥の至聖所には、プタハ神、アメン・ラー神、ラムセス2世、ラー・ホルアクティ神の4体の像が並んでいる。
年2回の日の出時のみ、プタハ神(冥界の神)を除いた3体にまっすぐ光が当たって神々しい雰囲気になるという。
とはいえ、時期はずれてたけど朝だったせいか像まで光が届いていたように見えましたが。。さらに雰囲気を出すためか黄色っぽいライトで照射されてたのが逆に邪魔に感じた(ーー;)
内部は結構広々としていて、細長い側室もたくさんあってぎっちりとレリーフで埋め尽くされていた。雰囲気がかなり違うものもあったのは、作られた年代が異なるせいかな?
内部の大列柱室にもオシリス神(ミイラのポーズ)の姿をしたラムセス2世が両側にずらりと並んでいました。
隣には、奥さん(ネフェルタリ)のために建てられた小神殿が。小と言ってもそれなりにでかいです(^^;)



ネフェルタリとラムセス2世像が交互に刻まれてるのですが、ラムセス2世の方が多いという(笑)

こちらも内部撮影不可。中の柱の上部にはハトホル女神の顔がずらりとならんでいて、なんか可愛らしかった。
小神殿から大神殿をのぞむ。


周辺はとにかくワンコが多い。成犬から子犬までまっくろなのが多かったので、みんな同じ血筋かもしれん。。

ここも本来はアスワン・ハイ・ダム建設時に水中に没する運命だった。ユネスコの協力で移築がおこなわれたけど、これだけ巨大なものを分割してまた建て直すのは、現代においてもかなりの大掛かりな作業だったろう。
「世界遺産」発足のきっかけとなったのも、このアスワン・ハイ・ダムに水没するヌビア周辺の遺跡たちを保護しようと言う運動からはじまったということなので、まさに第一号だね!
離れてみると、人が豆粒のようで、その巨大さがいっそうわかる。

ナセル湖の水は意外と綺麗で、この日もかなりの猛暑となったので、泳ぎたくなるくらい。
プライベートビーチみたいじゃあ。



またバスで砂漠を突っ切ってアスワンに戻り、アスワン・ハイ・ダムへ。

途中で蜃気楼がみれたよ!砂漠に広がる水面。

ダムのおかげでナイル川の氾濫はなくなり、安定して水も確保できるようにはなったが、「ナイルの恵み」と言われた肥沃な土も下流に運ばれてこなくなり、土地は瘦せて、ダムの底に沈んでしまった遺跡も多数。
ナイルはアフリカまでつながっているけれど、このダムでせき止められて、ワニやカバなどもいなくなってしまった。


テロ対策のためか、写真は撮ってもいいが、望遠ズームは一切禁止とのこと。風景的にはのっぺりとしてあまり見栄えはしない。
まあ、歴史的に外せない国家事業ということで。。



周辺も砂漠が広がるが、このあたりは特に砂が細かくさらさらで、瓶につめたりすると奇麗なおみやげとなるというので、途中で下車して一斉にペットボトルに砂詰めタイムがあった、


今日の行程がほぼ終わって、昼食後にきりかけのオベリスクを見たら列車だ!と楽しみにしているところへ不測の事態勃発の知らせが舞い込んできた。

ななななんと! 列車が突然運休停止になったというのだ。
詳細はまだわからなかったが、なにやらストかデモが起きて、ルクソールからカイロへ行く途中で停車してしまったというのだ。
カイロへ着いた列車が折り返してアスワンの方へくるのだが、このために戻ってくる見込みもたたず、電鉄会社もすべてシャットアウトして電話もつながらない状態なのでにっちもさっちもいかない。
翌日からはカイロ観光なので、動けなければ予定はすべておじゃん。
他の日本からの観光客も含め、あちこちの国から多くの観光客が押し寄せている時期なので、輸送の振替も競争になる。
詳しいことはわからぬままにも速攻で飛行機手配でとにかく移動しなければということになった。
事前の団体ツアーのシェアとは違って、通常の個人での手配となるので料金も高いし、夕方からの残りの飛行機も数が限られているから、結局2便にわけてなんとか押し込んだという形。
夕食も本来列車内だったので、急遽別料金で弁当パックになったが、フライドチキンにポテト(飲み物なし)で1400円ってぼったじゃないかw
ちょっと移動して「切りかけのオベリスク」へ。そんな話の後だからなんかテンション落ちまくって移動中もどよんとした空気が蔓延していた。

イースター島のラノ・ララクを思い出してしまった。岩山で岩石を切り取って形にしたものを切り出して、ナイルの流れにのせて運んだと言われるが、現在の山はナイルからもかなり離れているし、切り取った後に山から下ろすのも大変そうだ。


飛行機がルクソールからというので、何時間もかけてバスでまたルクソールに戻り、夜遅くの便で飛んでぐったり。。。
明日からはカイロ付近観光だ。旅も終盤だから気持ちを切り替えていこう。






コメント
なんとアブ・シンベル神殿が水没寸前だっとは。
今では信じられないですが、当時としては何故そこまでして移設しないといけないのか、理解を得るのが大変だったと思います。。
実際現場に立つと20mのラムセス2世像が並んでいる景観というのは現実離れした感があったのではないでしょうか。
太陽神ラーの方が小さいというのが、当時の王の権力が如何ばかりであったのか想像させてくれますね。
砂漠の中の大きな湖というのもアンリアルな感がします。
(ナイルエクスプレスで寝台列車の一等席での旅だ!)が不意に無くなったのも信じられないです(T_T;)でも外国ではそういう事が起こるのも常識の範囲なのかもしれないですね。
だらだらと長い旅行記を、続けて読んでいただき恐縮です(^^;) 地元ほど、「現在では役にもたたない古い遺物」ぐらいな感覚ですし、ましてや巨額な費用と労力をかけてまでやる必要性はぴんとこなかったでしょうね。 積み重ねてきた歴史の重み、消えてしまったらわからなくなくなる、過去ー現在ー未来へと続く発展の過程を残そうと考えた人々に拍手です。 現代はさらに高い建物もたくさんあるけれど、ビルの谷間ではなく自然に聳え立っている様子は畏怖につながりますね。それでなくとも果てしなき砂漠の世界というのは日本人にとってすごい非日常の世界。 う~~ん、ナイルエクスプレスは乗りたかったなあ(TT)政情不安定という言葉が肌でわかるこれもまたひとつの体験だったのでしょう。