2000年 イースター島 – 1日目

南アメリカ海外

パペーテからランチリ航空に乗って、いよいよあこがれのイースター島へ!時差は日本より15時間遅れです。
まったくもって絶海の孤島というにふさわしく、周囲になにもない太平洋の真ん中に、たったひとつぽつ〜〜んとあった。
チリからも3700Km、タヒチからも4000Km。その間にあるのは海だけで、タヒチからでも11時間近くかかる。

なんというか、幼い頃から夢に出てくるほどのあこがれの地で、前世はイースター島の住民だったのではないか?
もし訪れることができたら、何かの力でそのまま帰れなくなってしまうのではないか?と感じていたほど思い入れの強い地でした。

利用ホテルは「ホテルタハタイ」。なんと、この地の魅力にとりつかれてしまった日本人の夫妻が経営してるホテルなのです!
イースター島観光協会というサイトも運営されてるので、イースター島へ行く日本人には心強い味方です。

宿の写真がどっか行ってしまったんですが。。。一般的な海外のホテルと比較してしまうと、田舎の小さな平屋のペンションといった感じになってしまうのですが、贅沢を言ってはいけません。
何しろここは絶海の孤島。現在イースター島はチリ領なんですが、その本土からの物資も数ヶ月に1度しか届かず、それもだいたい古材とか中古品であるという厳しい生活状況。
島自体が北海道の利尻島ぐらいの大きさしかなく、資源と言えるようなものもありません。
当然物価も安いとは言えず、都内と似たような感じかな。倍とかならないだけいいというものだろう。

とりあえず宿でひと休み後、唯一の日本人観光ガイドでもある宿の主人につれられて半日観光へ。

「ラノカウ (Rano Kau)」は、メインのハンガロア村南西部に位置する大きなカルデラ湖で、直径1600メートル、高低差200メートルある。
水深は411〜メートル。
火口湖から地下水脈を伝わって、ハンガロア村の水源にもなっているそうな。

湖面はトトラ葦という植物で 覆われているため、水面は少ししか見えないけれども、雄大な景色。
日本にも群馬の白根山や宮城の蔵王にカルデラ湖 があり、それはまた情緒があって好きなのだけれど、スケールの大きさには脱帽ですな。

この湖の火口斜面からはたくさんの岩絵も発見されてます。見晴らし台付近に「マケマケ」 と呼ばれる鳥人の刻まれた石がありました。

このラノカウ火口の頂上付近に展開しているのが「オロンゴ遺跡 (Orongo)」です。国立公園にも指定されてます。
樹々もない、240メートルの断崖絶壁の上に遺跡があるため、強い風がまともに吹き付けてきます。
オロンゴ遺跡には53戸の石を積み上げて作った家が復元されてます。

入り口はとても小さくて、腹這いになってやっと1人通れるくらいの大きさしかありません。
これはイースター島の強い風を避けるためと、外敵から身を守るためであったそうな。
しかし、もし火のついたたいまつでも投げ込まれた時には、全員逃げ場をうしなってしまいそうな気がする諸刃の剣のようなところでもありますな。
石家は斜面を利用して建てられており、前面がカーブを描く形となってます。

ここでは鳥人儀礼が行われており、儀式の間、神官やロンゴロンゴの語り部たちが寝起きしていたといいます。
ひとつの家に20人もが膝を抱えて寝ていたらしいから、さぞや窮屈なことであったでしょう。
どうやら横になって眠る習慣はなかったらしい。。。。

この絶壁の下方に三つの小島があります。
モツカウカウ、モツイティ、モツヌイと呼ばれる島で、鳥人儀礼で渡るのは、このうちのモツヌイであったらしい。

ちなみに鳥人儀礼の概略を述べると。。。
鳥人の姿で表されるマケマケは大気の創造神である(さっきあった石の彫り物)。
海に閉ざされた島の住民にとって自由にどこへでも飛んでいける鳥は救いの神、神の力の象徴でした。
春に最初に軍艦鳥が渡ってくると、各部族の代表は断崖絶壁を降りて小さな筏を頼りに荒波を超えて沖の小島に渡ります。
しかし、この付近は海流も速く、サメも多かったので、辿り着く前に何人も命を落としたと言います。
ついたら島の洞窟で、ひたすら軍艦鳥が卵を産み落とす瞬間を待ち、最初の卵を見つけて崖の上で待つ部族の長のもとへ戻ったものが勝者となります。
勝者はその年の”鳥人”となり、1年間島を支配する最高権力者となるため、部族あげての最大の儀式となっていました。

なお、1866年にこの儀式は廃止されています。
付近には、こんなにかわいらしい彫像もありました。これも何かの神かな?

イースター島は、荒涼とした大地です。
タヒチとは違って、黒ずんだ深い海が断崖に波を叩き付け、強風のため植物もあまり育たない。山も最高が500mちょっとだし、道と言えるのも周囲をぐるりとまわるものと、中央を走るものぐらいしかない。。。。というか車自体不足してるようで、廃車寸前のが流れてきたんじゃないかというようなのが走ってたりします(^^;)

火山も含んだ痩せた土地だから作物もあまり育たないとは思うのですが、羊などを飼育してたりはします。

でもね、不思議なことに「料理はどこもおいしい!」のです。村の中心部の方にいくつか食事できるところがあるのですが、こんな小さな島なのに住んでる人々がほんとワールドワイドな人種でいろんな国の人々が住み着いてます。

夕飯にちょこっと覗いたお店がフランス人の経営する店で、英語すりゃ話せやしない(ーー;)
レストランに入って何にしようかとメニューを見ていたら、シェフが勝手に料理を作ってきて、「味見してみろ」と、すすめ(多分そう言ったのだと)、結局その作ったお勧めをそのままいただくことになってしまった。

しかも、フランス語わからないって言ってるのに、ずっと側でフランス語で陽気にしゃべりまくって、こっちは英語で応対して、お互いに解ってなかったと思うんだけど・・・(笑)

イースター島は結構いろんな国からやってきた人が住み着いているので、何語が通じるとは、はっきり言えませんw。
しかも、その後にはいって来た日本人の客がこちらを見て、おいしそうなので、同じものを注文しようとしたら、「ない!」と言われてました。
気まぐれにメニューにない即席料理を作ったらしいよ。で、また勝手に違うものを作って勧めてた・・・メニューの意味はあるのか?(笑)

夜は、付近でイースター島の民族ダンスショーをやるよというので急遽飛び込みで。会場は、なんか公民館みたいなところでした。(どっかのホテル付属施設だったかな?)

暗い室内で、陽気に踊る人々。あやとりみたいなのもあるな。
と、思ったら、突然座っていた椅子からひっぱりだされた! 手取り足取り即席で教え込まれ

こんな状態に。。(ーー;)なんかにいさんたち、やたら楽しそうね

そんなこんなでイースター島での休暇が始まったのでした。

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