鏡の国のアリス(河合祥一郎訳)

海外小説

鏡の国のアリス (角川文庫)

前に読んだ「不思議の国のアリス (角川文庫)」と同じく河合祥一郎さん訳。
やはり同じように「言葉遊び」に非常にこだわった翻訳だ。
『不思議の国のアリス』の続編に当たるが、何故かこちらの『鏡の国のアリス』の方が出版は少ない気がする。

「不思議の〜」がトランプを中心にモチーフとなっているが、「鏡の〜」はチェスが大きなテーマとなっている。
話全体でひとつの勝負を表しており、不思議な世界でチェスの駒をすすめるのと同じように物語が進行する仕組みになっている。
その駒の動きが巻頭と巻末に詳しく載っているのであるが、私はチェスのルールがまったくわかっていなかったので、ちょっと理解はしきれなかった。(汗)

とは言っても尋常のチェスではなく、かなりハチャメチャで、相変わらずものすごい不条理で意味不明な理論とともに展開されていく。
でも、全体の流れが見えてるせいか、「不思議の〜」よりはつかみ易い気がした。

登場人物と出来事を見て行くと、映画「アリス・イン・ワンダーランド」はこの2つの物語を合体させて、アレンジして作り上げたものだということがわかる。
実際の出来事の主とは違った設定になっていたりもするが、あれでも原作よりも かなりわかりやすいように作られたものなんだなぁということが、読んでみてよくわかりました(笑)

<主な登場人物>
赤のキングと赤のクイーン。白のキングと白のクイーン
ジャバーウォッキー(話)
トウィードルダムとトウィードルディー
ハンプティ・ダンプティ
赤のナイトと白のナイト
ライオンとユニコーン

<主な出来事>
どこにも行かれない道。
名前のない森
ねじれた時間の観念
アリスの女王

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