星の王子さま

海外小説

星の王子さま (新潮文庫)

あまりにも有名な名作なのに、今まで読んだことがありませんでした。

なんせ自分の幼少時代と言えば、江戸川乱歩とか、コナン・ドイルとか、マザーグースとか。。。(苦笑)
しかし、先日友人にすすめられて大人になって読んでみてもいい話だよと。

題名からして、夢のあるほんわかとした子供向けファンタジーかとばかり思ってましたがどっこい!

これ、お子様向けというより大人に対してのメッセージのような気がします。

そもそも王子様が星を飛び出してきた原因が、愛情表現のしかたがよくわからない不器用だけれどとても美しい花が(女性をイメージさせますね)プライドや見栄にはばまれて、心とはうらはらの言葉によって意図せず大事な人を傷つけてしまうところからはじまりますね。

別れ際にようやく素直になって、自分の今までの言動を振り返って後悔する女。
思わず逃げてきてしまったけど、やはりその存在を片時も忘れることができずに悶々とするひとりの男。
うああぁぁ〜〜胸が痛い!(^^;)

そして旅する先々で出会う、妙な自己顕示欲や名誉欲にまみれた孤独な大人たちの姿を滑稽に描く。なんの疑問も抱かず同じような日々の繰り返し。なんかはっとさせられますね。

その他大勢の中のひとりが、オンリーワンになるということ。絆を結ぶということ。そして絆を結ぶということは責任を持つこと。
キツネがこれまたいいことばかり言うんだなぁ。

先のことが見えなくても、やみくもに走り続ける疲れた大人たちに、忘れかけていた何かを思い出させてくれる優しくて痛いすてきな物語を。
単純だけども優しさの溢れるかわいらしい挿絵もいいですね。

新訳なので、旧訳のほうはまたちょっと違うのかもしれません。

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