金子さんの独特な挿絵もいいが、昔ながらのジョン・テニエルの挿絵も見たいなと思ったのと、同じ翻訳者、出版社で「鏡の国のアリス」もあったことから合わせて購入しました。
やはり翻訳者が異なると、雰囲気もかなり変わる。
前回読んだ矢川澄子さんのはねっかえりっぽい翻訳とは違う感じで、河合祥一郎さん訳のほうが素直な文体で、文章的には読み易いかもしれない。
ちなみにパラパラっと見た感じ、北村太郎さん訳は矢川澄子さんと近い匂いがした。
河合祥一郎さん訳の特徴的なところは、「言葉遊び」に非常にこだわっている。
歌の部分は韻を踏んで、駄洒落のようになっているので、言葉の選び方でまた歌詞も違うように見える。
原文はどうなってるのかな?と思っていくつか英語のバージョンを調べてみたらありましたありました!
「crocodile,tail,Nile,scale」など、センテンスの最後が韻を踏んだような発音になるものが。
もちろん、英語だから、そのまま翻訳すれば
「ワニ、しっぽ、ナイル、ウロコ」などただの単語になってしまうわけですが、うまく言葉を補って、同じような語感になるように翻訳されてるのはさすが。
話の流れと単語の訳し方もやはり受け止め方によって変わるもので、大枠は一緒でもちょっと違いますねぇ。見比べるとおもしろい。
巻末には、日本語訳の歌詞と楽譜まで掲載されています!
とっても単純な音符ばかりなので、お母さんがピアノをひきながら、子供と一緒に歌ったりするのも楽しいかもしれませんね。
<主な登場人物>
チョッキを着て懐中時計を持った白うさぎ
短気なねずみ
ドードー鳥
たばこを吸う青虫
疑い深いハト
胡椒の家と公爵夫人
笑うチェシャーネコ
三月ウサギ
帽子屋
ヤマネ
トランプの王様、女王様(すぐ「首を切れ!」と叫ぶ)、ジャック、兵士たち
グリフォンと海ガメモドキ
<主な出来事>
大きくなったり小さくなったりする飲食物
終わりの無いお茶会
フラミンゴとハリネズミのクロッケー
タルト裁判