チェッカーズ

ノンフィクション

チェッカーズ

恐らく出版された当時は「暴露本」としてメディアに取り上げられて騒がれたんだろうなと思う。
だろうな。。と言うのも、熱烈なチェッカーズファンだったにもかかわらず、解散して結構経つこの時期は、リアル生活のほうが何かとざわついていてテレビもほとんど見ていなかったから。クロベエが亡くなった時の衝撃のほうが、強烈に印象に残っている。

ネットがどんどん進化していく昨今、武内享さんが活動していることを知りTwitterでつながることが出来た。
そして先日、ライブハウスのイベントで、ん十年ぶりに再会を果たすことができた。(実は享さんの大ファンであった)
その時に解散当時のごたごたやこの本についてのことで、ファンのみんなに嫌な思いをさせたのではないかと非常に申し訳なさそうに謝っていたので、それほど酷いことが書いてあったのかと逆に興味を持ってしまった。

ネットの書評をぱぱっと見ても、藤井郁弥さんに対する痛烈な誹謗中傷というような文字が散見されたのだが、実際に読んでみるとそうは感じなかったな。
むしろ幼なじみに対する愛着と、歯車が合わなくなったことへの悔しさようなものがにじみ出ていた。
どちらかというと最初からウマが合わなかったのは、リーダーであった享さんに対してのようである(苦笑)

ちなみに享さんはこの内容に対して、弁解も批判もせず「あれは高杢の見た真実だった」と。
肩入れするわけではないが、読み終わった感想はまったく一緒だった。「モクさんの見て感じた真実とはこれなんだな」と。

実際にそのような出来事や、やりとりがあったのだろうし、見たまま感じたままをストレートに綴ったのであろう。
あらためて、モクさんって本当に素直でまっすぐな人だなぁと、別に嫌な感じにはならなかった。ガンも克服できて本当に良かったと思う。

ただ、真実というのは必ずしもひとつではないと思う。

それは、個々それぞれ考え方や価値観が異なり、自ずと導き出される答えや方向性も違うものとなる可能性が高いからだ。
おそらくそれぞれのメンバーがチェッカーズとして活動していく中で思うことはいろいろあっただろうし、そこから今後の展開やその先に見えたものも異なっていたのではないか。
周囲でもバンドをやってる人たちは多かれ少なかれそういう悩みにぶつかっているのが見える。

そして享さんが、チェッカーズというバンド、その創りだした音楽を、今でも愛し、誇りに思ってるのも真実と見えた。これは目の前で見て伝わってきたこと。

これも私が感じたことなので、違う人が読んだらまた違ったものが見えて違う感想を持つのかもしれない。

高杢さんはとても熱い人だ。そしてとても羨ましい人でもある。
仕事で関わることになったキーマンの方々と、人生の師匠と呼べるほど深い絆を感じられて共感しあえるなんて。。
そりゃあこれだけ世話になって、良くしてくれたんだから当たり前だと言われるかもしれないけれど、やはりどこか気質に似た所があったからこそ、そこまで深く思い入れることもできたし可愛がられたんだろうと思う。

もし、価値観や考え方がまったく合わない人だったらどうだろう?というのは極論だけど、もっと違った感情になっていたかもしれない。そこまでいかなくとも、もっと割り切った「ビジネス」としての冷静なつきあいになる可能性だって多々ある。
だからチェッカーズが解散してしまったのはファンとして残念だけど、誰が悪いとも責められないなぁ。

個々いろいろな個性があって、7人そろってチェッカーズ。誰かが入れ替わってもきっと違和感がある。そう思うファンも結構いるんじゃないかなという気がする。ドラムもクロベエ以外には考えられないから。。。

でもね、やっぱり今聞いてもかっこいいものはかっこいい。先日のイベントで再認識しました。
解散したからといって音楽そのものがなくなるわけじゃあない。
そこに思いが詰まっている限り、きっといつ聴いてもそれは素晴らしい。

最後にひとつ言わせてもらうと、本の帯、、、あれは余計な煽りでしょ。(ーー;)いかにも暴露本チックな雰囲気を醸し出していて、マスコミの話題作りに利用されてるようでなんだか腹立たしかったな。

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